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味の傾向:石川を代表する酒蔵のコスパいい純米酒。香ばしい焼き菓子のような香りが食欲をそそる。味はじんわりとした甘味に強めの苦味が混ざるタイプ。熱燗にするとスイスイのめてたまらない。

合わせた料理:あん肝ポン酢、タラの西京焼き

僕の評価:75点/100点(熱燗でぐびぐび飲みたい)

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こんにちは、いまさらYouTubeの倍速再生にハマっている神奈川建一です。

今日は石川県のお酒をご紹介!「菊姫(きくひめ) 先一杯 純米酒」でーす。名門中の名門ですね。まずいっぱい、と読みます。

菊姫と言うと石川県を代表する銘柄です。その重厚な味わいは軽やかなテイストが多い北陸にあって異質ですが、昔からファンの多いお酒ですね。僕としては蔵の定番商品、山廃純米の濃厚な味わいが大好きです。



今回の先一杯はそんな菊姫のラインナップの中でも軽快さを重視した商品だそうで、名前の通り最初の一杯ににあう味わいとのことです。気軽に買えるお値段(720mlで1400円ぐらい)といい、狙い通りにつくられているお酒のようですね。

スペックを確認します。

アルコール度 14%
精米歩合 65%
日本酒度 不明
酸度 不明
アミノ酸度 不明
純米、吟醸香あり、加水あり、火入れ、1年前後熟成

最大のポイントは水で薄めた低アルコール酒であるということですね。日本酒はアルコール度15%を下回ると低アルコールと区分されますが、このお酒は加水してアルコール度を下げています。つまり味わいは薄まって淡くなっています。これが発酵を途中で止めて度数を下げる原酒タイプの低アルとの違いです。

ただこのお酒は精米歩合が65%と高い上に、1年ぐらい熟成しています。なので加水されても味の厚みは確保されていそうですね。

◆熱燗でグイグイ飲めちゃう!

今回は常温(関東の11月ぐらい)でグラスにそそぎます。色はけっこう黄色いですね!加水してこの濃さですから、たしかに1年は熟成しているのでしょう。精米歩合が高いのも色の濃さに影響していますね。

香りを確認。うわ~、焼き菓子みたいな香ばしいにおい!いかにも糖分が加熱されたような印象です。いわゆる日本酒の熟成酒的な香りですが、悪い印象の成分が少なくいい感じです。

飲みます。

とろりとした甘味とビターな後味、軽やかな味わいだけど物足りなさはまったくない!

これはいいですね!しっかりした味わいなのに飲みやすい、さすが菊姫と言えるバランスです。

甘さはしっかりしています。でも意外とドライな印象なんですよね。なので甘くてクドいということはないです。

後味はキリっと苦いです。大人の味って感じですね~。度数が14%なのでこちらもクドくない。いいバランスです。

これを熱燗にするとさらにいい!苦味の消えたキレよいグイグイのめるお酒になります。冬に体を温めるのに最適ですわ。

料理は主に熱燗で合わせたのですが、あん肝ポン酢いい!ま、こりゃ鉄板なのですが、ちゃんと期待に応えてくれる菊姫最高です。タラの西京焼きも最高!個人的にはもうちょっとしょっぱくてもいいなーと思ったので、ブリの照焼きもよさそうです。

◆一流の加水はやっぱりすごい

僕は前から加水調整の上手な蔵はすごいと言っていますが、菊姫もまさにそういう酒蔵ですね。この先一杯はそこがよくわかるお酒でした。お酒の味の完成度はバランスのよさで決まります。加水はバランスを整える重要な工程なので、ここが酒質を決めているのですね。

しかし、このレベルのお酒がスーパーで買えるのはありがたい!菊姫は酒屋、スーパー、デパートとどこでも買えるのですばらしいです。ぜひ、見かけたら買ってみてください。

「菊姫 先一杯 純米酒」、名前の通り最初の一杯に最適のお酒です。寒い時は熱燗にして楽しんでみてください!

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