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味の傾向:鳥取の小さな酒蔵がつくる純米酒。熱燗で飲むと、香りは穏やかな熟成香とほんのり酸っぱいにおい。味は少し甘味があってゴツい苦味は意外と柔らかく感じる。すばらしい熱燗酒だ。

合わせた料理:クリームチーズ味噌和え、クリーミーな白カビチーズ

僕の評価:75点/100点(山陰らしさがストレートに出ている)

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こんにちは、天かすを買って使い切らないで放置してたら悪臭が出てしまったことがけっこうトラウマな神奈川建一です(気づかず蕎麦にかけたら最悪でした・・・)。

さて、今回は鳥取酒のご紹介です~。「辨天娘(べんてんむすめ) 純米 五百万石 R1BY」となります。この前レビューした日置桜と同じく山陰地方のお酒ですね。



寒い日々が続くと体が熱燗を求めはじめる!そういう時まっさきに思い浮かぶのが山陰地方の骨太な日本酒ですね。冷酒で飲むとゴツゴツしていてハードな味わいですが、温めると一気にやわらかくなってたまらない!僕も大好きです。

辨天娘はそんな山陰酒の代表だと思っていまして、生産量は少ないはずですが関東のこだわりの酒屋さんでよく見かける印象があります。お店の常温棚にずらりと並ぶ風景を見ると、ついにっこりしてしまいます。

スペックを確認しましょう。

アルコール度 15~16%
精米歩合 75%
日本酒度 +18
酸度 不明
アミノ酸度 不明
純米、吟醸香なし、加水あり、火入れ、2年ほど熟成

まず日本酒度+18!すごい数値です。ごりごりに発酵させて、お酒の中の糖分を減らしているのでしょう。そんな原酒をしっかり加水して度数を下げたお酒です。それだけ発酵すれば酸度も高そうですが(発酵するほど酸味は強くなる)、どう味わいに影響するか確認してみましょう。

◆ゴツくて柔らかい熱燗最高!

これはもう最初から熱燗でいきましょう!器にそそいで色を確認します。うーむ、しっかり色づいていますねぇ。イエローというよりゴールドのイメージです。ちょっとくすんでいるかな。しっかり熟しているのがわかります。

香りを確認します。む、熟成感のある香りですがおだやかですね~。少し酸っぱそうな印象もあります。アルコールのツンとくる感じもなく上々の熱燗です。

飲みます。

ふわっと甘くゴリッと苦い。温かな舌触りがハードな味わいを丸くしてくれて最高の心地よさ!

いや~、さすが辨天娘!熱燗になることで見事なバランスになります!

ちょっと甘い印象ですね。日本酒度+18としては驚きです。アミノ酸の甘さでしょうか。酸味は思ったほど感じません。

そして後味はゴリゴリの苦味があります。が、温かさがいい感じに苦さを丸めてくれるので心地いいです。シャープなのに柔らかい苦さ、たまりませんね~。

ちなみに常温で飲むと苦味が前面に出てくるので、かなり人を選びます。しかし、熱燗にするととたんに万人向けになるんだから素敵ですね。

今回は食事の前に楽しむことが多かったので、しっかりした料理には合わせませんでした。クリーミーなチーズがよかったですねぇ。クリームチーズとか白カビチーズとか。辨天娘がドライなので、おつまみは脂肪分がリッチなものにするとバランスが取れていいのかもしれません。

◆熱燗で輝く苦味

超ドライな日本酒と思いきや、温めると甘味もある味わい深い1本でした。そして苦味がいい!熱燗すると苦さに対する印象が変わりますね。コーヒーの苦味などに通じるものがあります。

しかし、真冬の夜に熱燗を飲むとマジで幸せになりますね。何年も日本酒飲んでいますが、ここまで熱燗にハマった冬は今年がはじめてです。いやぁ、お酒ってほんと奥が深い。

「辨天娘 純米 五百万石 R1BY」、熱燗最高!と素直に叫べる鳥取酒でした。もちろんお好みの温度の熱燗でどうぞ!

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