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味の傾向:宝酒造が輸入する代表的な紹興酒。香りは圧倒的に酸っぱいにおいがメイン。味も酸味が主役で、甘味旨味がやわらかく支える印象。全体的ににスパイシーで、なるほど中華料理に合うのがよくわかる。

合わせた料理:麻婆豆腐、麻辣香鍋

僕の評価:紹興酒なので未採点。中華料理に合わせるとうまさ倍増。

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こんにちは、神奈川建一です。

今回はなんと中国のお酒をご紹介!「塔牌(とうはい) 花彫 陳五年」であります。一番よくスーパーなどで見かける紹興酒ですね。

なんで日本酒好きの僕が紹興酒をレビューするかというと、日本酒と紹興酒(正確には黄酒)はつくり方がとても似ているからです。

紹興酒のできるまでの主な特徴は

・お米を主原料として麹で糖化させる。
・酒母をつくって酵母を育てる。
・その酒母を別の容器にうつして並行複発酵をおこないお酒をつくる。


ね、日本酒に似ていると思いませんか?

もちろん違うところも多数あるのですが、比較することでより日本酒への理解が深まると思うのですよ。どんな違いがあるのか、ぜひ体感してみましょう!

スペックを確認します。

アルコール度 16%
原材料 もち米、麦麹(小麦)、カラメル色素
熟成 平均5年

アルコール度も日本酒に近いですね〜。ただ、調べると他の紹興酒は度数もさまざまみたいです。原材料は日本酒なら「米、麹」となるところが「もち米と麦麹」になっていますね。麦麹はその名の通り小麦を原料とした麹です。カラメル色素は紹興酒独特のあの赤茶色をつくるために添加されています。なんでも透明にしたがる日本酒との差を感じますねぇ。

◆めちゃくちゃスパイシーで香辛料に合う!

常温でグラスにそそぎます。色はまあ濃厚ですね!カラメル色素添加なので日本酒の古酒とは濃度が全然違います。琥珀みたいな輝きがあって、見た目とってもいいですね。

香りをチェック。うおお、酸っぱい!!すごい酸味の印象です。日本酒の熟成酒みたいにカラメルのにおいを予想していましたが、ぜんぜん違う!もちろんカラメルもあるにはあるのですが、隠れてますね。めちゃくちゃ酸味豊かな味わいの予感です。

飲みましょう。

すごくスパイシーな味わい!甘味旨味に支えられた強い酸味が強烈な香辛料とパーフェクトにマッチする!

うおお、すっげぇ。まさに中華料理のために生まれたお酒だわ!

とにかく酸っぱいです。日本酒も酸っぱいお酒ありますが、その比じゃないですね。むしろ赤ワインに近いです。

甘味旨味に加えて苦味があって分厚い印象があります。これが濃厚で刺激的な料理の味を受け止めてくれますね。

当然のように中華料理に合わせましたが、もう最高!豆板醤だけではなく、豆豉醬や甜麺醤も使った本格的な麻婆豆腐つくりましたが、おいしすぎて失神しそうになりました。これ、同じテイストの酒と料理を合わせているからですね。塔牌はとてもスパイシーなお酒だと感じました。

◆日本酒とはまるで違うお酒

にているつくり方のお酒なのに、別ものみたいな味わいでした。料理に対する役割としては、日本酒より赤ワインに近いですね。濃い味を受け止めてサッと流すみたいな。こんなに違うとは驚きです。

もちろん紹興酒にもいろいろなバリエーションがあるので、この味わいはあくまで塔牌五年のものです。しかし、近いつくり方でここまで別ものをつくれるということは、日本酒にもまだまだ発展の余地があると感じられて興味深いですね。いやー、面白い!

「塔牌 花彫 陳五年」、まさに中華料理のためのお酒です。日本酒との違いを楽しんでください。

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