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こんにちは~。神奈川建一です。

 「糖分」、みなさんはこの言葉を聞いて、どんな印象を感じるでしょうか。糖分は生きがいという意見から、ダイエットの敵という意見までさまざまなものがあると思います。

 しかし、糖分が僕らの大好きな日本酒の重要な成分であることは間違いないです。あの日本酒に特有な滑らかな甘味は、まさに糖分のおかげで成り立っていると言えるでしょう!

 そこでちょっとまじめに日本酒に含まれる糖分について調べてみたのですが、かなり面白いことがわかりました。どうやら日本酒に含まれている糖分は、あまり甘くない種類の糖分らしいのです。

 ええっ、糖分が甘くないって何言っているの?と思ったあなた、僕も調べた時にそう思いました。そこで順を追って説明してみますね。

 まず糖分にはいろいろな種類があります。ブドウ糖、乳糖、果糖、麦芽糖、ショ糖(砂糖)、オリゴ糖など、学校の授業や食品の説明などでおなじみの糖分の仲間たちがそれです。

 日本酒に含まれている糖分はほぼブドウ糖なのですが、このブドウ糖が実は甘くないタイプの糖分なのです。

 糖分の甘さはショ糖(砂糖)を基準として考えます。このショ糖を100%とすると、ブドウ糖は60%から80%程度の甘味しかないのだそうです。ブドウ糖は砂糖よりかなり地味な甘さの糖分なのですね(※1)。

 ブドウなんて名前のついている糖分だから絶対甘いはずと思っていたのですが、これには驚きました。だって果物のブドウってとっても甘いじゃないですか!

 でも、どうやらブドウの甘さはブドウ糖だけではなく果糖も混ざった甘さなのだそうです(果糖はショ糖と比べて120~150%の甘さを持っています)。

 しかし、甘口の日本酒はかなりはっきりとした甘味を持っていますよね。どうしてあの日本酒の甘味があまり甘くないブドウ糖から生まれてくるのでしょうか。

 その答えは「日本酒の甘味は糖分に加えて、アルコールとアミノ酸の甘さが混ざっているため」なのです。そう、日本酒の甘味において糖分以外の成分も活躍しているのです!

 アルコールは甘味と苦味を持っています。アミノ酸は旨味が有名ですが、他にも甘味と苦味を持っているのです。

 僕たちは日本酒を飲んで、直感的に甘味はほとんど糖分がつくっていると感じますが、実はブドウ糖・アルコール・アミノ酸の3つの成分が混ざって甘味をつくっているのですね。

 さらにブドウ糖はさきほど説明したとおり甘くないので、アルコールとアミノ酸の重要度が意外と高いのです(※2)。

甘味のイメージ(円グラフ)

 なので、アルコール度数やアミノ酸度(お酒に含まれているアミノ酸をはかる数値)が高いお酒を飲むと、辛口と表記されていても妙に甘く感じることがあります。お酒にブドウ糖があまり含まれていなくても、他の甘味成分が多ければ僕らは甘く感じるのですね。

 いかがでしたでしょうか。けっこう思い当たる経験、ありませんでした?僕はこの解説を聞いた時は、今までの疑問が一気に解決したような気分になりました。

 日本酒ってそんな複雑な仕組みでできあがっているのか!と感心しましたよ。こういった細かい要素に気を配りながら、最高の味わいをつくる蔵元のすごさも思い知りましたね~。

 そして日本酒の不思議を探るのって面白い!とも思いました。今後もこういった楽しいことを共有したいと思いますので、ご興味ありましたらまたブログを訪問してくれると嬉しいです。

それではまた!



<参考>
※1 「#4砂糖のキソ知識【プロ向け】」 大東製糖株式会社HP

※2 ちょっとした実験を行うとブドウ糖とアルコールの甘味を体験できるので、試してみてください。

 アルコールが3%以上違う日本酒を2つ用意しましょう(例:14%と17%の日本酒。両方甘口だとよりよい)。2つのお酒を交互に飲んでみてください。

 度数の低い日本酒ではさらりとした柔らかな甘さを、度数が高い方は明確で余韻の長い甘さを感じるはずです。度数の低い方はブドウ糖メインの甘み、高い方はアルコールメインの甘みなのです。







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