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味の傾向:佐渡にある酒蔵のレギュラー商品。香りはやや香ばしい印象と、アルコールのツンとくる感じがクラシックな日本酒風味である。味はドライなうま味がメインの飾らないスタイル。酸味がやや目立つが、おだやかな味わいだ。

合わせた料理:ナスの揚げ浸し、むしりかんかい(タラの干物)

僕の評価:65点/100点(特別なお酒じゃないけど、それがいい)

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 こんにちは~、日本酒ブロガーの神奈川建一です。

 今回は新潟のお酒です。「金鶴(きんつる) 本醸造」になります。佐渡島のお酒ですね~。

 日本一の日本酒県である新潟だけあって、離島である佐渡島にまで酒蔵があるんです。しかも複数!長い年月、労働者を中心とした多くの島民の方々にお酒を提供してきたのだろうと思うと、その歴史にうっとりしてしまいます。

 この金鶴はお店は限られますが、首都圏でも複数の酒屋で扱われている銘柄ですね。当ブログでは2回目のレビューです。レギュラー商品と思われる本醸造酒で、お値段は4合瓶で937円(税込)!まさに地元で日常的に飲まれていそうなお酒ですね~。

前回のレビューはなんと5年前


 スペックを確認します。

 アルコール度 16%
 精米歩合 麹米60% 掛米65%
 日本酒度 不明
 酸度 不明
 アミノ酸度 不明
 醸造アルコール添加、吟醸香なし、火入れ、加水あり

 アルコール度がちょっと高めの本醸造ですね。他県なら15%ぐらいで売られそうですが、さすが新潟県だけあって度数が高いです(笑)。

 1000円を切るお値段のお酒ということで、おそらくかなりアルコールと水で薄められていると思われます。経済性を重視するお酒なら避けては通れないのですが、どう味に影響しているか確認してみましょう。

◆欠点はあるけど気にならない

 冷酒でそそいで色を見てみます。うすく黄色に色づいていますね。透明感やキラキラした印象はなく、落ちついた色合いです。

 香りを確認。おお~、香ばしい!ナッツやカラメルのような印象があります。でも強くはないですね。それとアルコール感のあるにおい。クラシックなお酒ってイメージですねぇ。

 飲んでみます。

 おっ、かなりドライですね!甘みが少ないです。うま味が中心でサラリとした舌触り。新潟の淡麗辛口のお酒とは違って、ちょっと穀物のようなほっこりした味わいです。

 予想どおりとても薄められているので、全体的に味が淡くふわっとしています。後味は苦味や刺激がくるのですが、ちょっと酸味が出すぎてますね。加水が多いお酒にありがちな味わいです。

 ただ、これが気になるかというと、食事と一緒に飲めば気になりません。そういう細かいこと言うお酒じゃないですね。

 料理に酸味があるとよかったですね~。ポン酢をかけたナスの揚げ浸しとか最高!あとはマヨネーズ付けて食べる魚の干物とか。塩味がお酒に映えてめちゃウマでした。

◆地元に愛されるレギュラー商品

 まさに佐渡島の家庭で毎日飲まれるようなお酒でした。きっと一升瓶の需要が多いんじゃないかなぁ。熱燗も当然おいしくて、1月ぐらいに飲むには最高でしたね。

 首都圏で4合2000円前後で売られているようなお酒に比べれば見劣りはします。ただ、そういうお酒じゃないんですよね。生活のために必要な日本酒なんです。

「金鶴 本醸造」、常温で保管して頭を使わず飲む、そんな飲み方が似合う佐渡酒でした。

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