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 こんにちは〜、日本酒ブロガーの神奈川建一です。

 突然ですが、皆さんは食品の苦味は好きですか?嫌いって方もいらっしゃるでしょう。酸っぱさと苦さは嫌われ者の味わいですからね~。

 日本酒においても苦味は避けられがちで、おいしくないお酒の原因として強すぎる苦みはよく指摘されます。お酒の味わいを紹介する時も、苦さという言葉はあまり使われないですよね。

 しかし、日本酒において苦味は超〜重要なんです!苦味がないお酒は確実においしくないのです!

 最近の日本酒はアルコール度が低いタイプが人気ですが、極端に低い日本酒(度数が1桁のものなど)を飲んで、物足りないと感じたことはありませんでしょうか。これはアルコールの苦味が少なすぎて、舌が満足できていないのが原因です。

 苦さはコク、飲みごたえ、ボディ感、キレ、といったお酒のおいしさにつながる部分で活躍しているのです。甘味・うま味・酸味・苦味がバランスよくそろっていい日本酒は完成するのですね。

 なので、酒づくりにおいて苦味をコントロールするのはすごく大切です。その技術こそがブランドの信頼を支えていると言って過言ではないでしょう。

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 ここで日本酒の苦味を構成する成分を紹介してみます。その数なんと5種類!そんなにあるの?って感じですよね。これらが複雑にからみあってお酒の味ができているのです。

①アルコール
 皆さんが大好きなアルコールです!アルコールは特有の強い苦味を持つので、お酒らしさを感じさせてくれます。日本酒はアルコール度数が高いお酒なのでとても重要です。

②ソトロン
 日本酒が熟成すると黄色く色づきますよね。あれがソトロンです。これがかなり苦いんですね。日本酒は放置すると簡単にソトロンが生まれますので、繊細なお酒は冷蔵保管が必要になります。

③アミノ酸
 うま味のもとになるアミノ酸ですね。アミノ酸の中にも苦いアミノ酸というのがありまして、日本酒にかなり入っています。アミノ酸の濃度が高まると、苦味が増して複雑な味わいになるのです。

④コハク酸
 貝のだし汁に多く含まれている苦味成分です。シジミのみそ汁などを思い出してください。あの苦みですね。日本酒では酵母が生産するので、特有の苦い後味が増えます。

⑤ペプチド
 アミノ酸が複数組み合わさった物質です。これも苦いんです。アミノ酸度などの数値にあらわれないので、隠しキャラみたいな苦味成分ですね。

 いかがでしたでしょうか。これらの成分と悪戦苦闘しながら酒蔵さんは酒づくりしているのです。とんでもなく難しいのでしょうね〜。想像するだけでゾクっとします。

 僕も苦味のバランスが悪い日本酒を飲むと、苦味なんてなくなればいいのに思うことがあります。しかし、なくなったらなくなったでお酒は確実につまらなくなるでしょう。

 苦みって日本の四季における冬みたいなものなのです。寒い季節なんてすぐ終われ!って冬の最中は思いますが、本当になくなったら春のありがたみはなくなるでしょうし、熱燗が楽しめないなんて愚痴を言うに決まっています。

 苦味こそが日本酒のおいしさの陰の功労者なのです。この酒おいしい!と感動したら、苦味はどこにいるか探してみてくださいね。きっと新しい発見があるでしょう。







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