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 こんにちは~、日本酒ブロガーの神奈川建一です。

 日本酒の原料である酒米はどんどん増えてきて、主要な品種だけでもかなりの数になりますよね。お酒を選ぶ時の参考にしている方もいるでしょう。ただ、味の説明が妙にぼんやりとした表現で、どーもイメージしにくいと感じたことはないでしょうか。

 山田錦
 「奥行きのある芳醇な味わい」
 五百万石
 「淡麗で爽やかな酒質」
 出羽燦々
 「柔らかくて、幅がある」
 八反系
 「現代的なすっきり美人タイプの酒」
 (SAKE DIPLOMA Second Editionから引用)

 う~ん、わかるようなわからないような・・・。もっと甘味が強いとか、うま味が少ないとか、はっきり書いてほしいと思いませんか?

 しかし、この説明は正しいのです。実は酒米には明確な味というものがないのですね。え、じゃあなにがお米の味をつくっているのかって?それが「精米」と「麹」なのです。お米を精米と麹によって加工することにより、本当の意味での酒米の味が完成するのです。

 まず精米ですが、これはお米を精米機で削って不要な成分を減らす工程です。この精米はかなり強烈な技術で、お米に含まれている成分を直接いじれちゃうんですよ!

 たとえばお米のタンパク質はお酒のうま味につながる成分で、これが多いと日本酒の味が複雑になりコクが増すのですが、精米することで自由に減らすことができます。お米の種類にかかわらずうま味をコントロールできちゃう!?そりゃ、酒米の説明で簡単に「うま味が多い」とか書けないわけです。

 次に麹ですが、こっちはさらにすごいです。麹菌というカビを生やしたお米を麹と呼ぶのですが、麹は他のお米(掛米と言います)を溶かして味をつくることができます。この麹のつくり方しだいでお米を溶かす力を変えることができるんです。つまり酒米の味をつくり変えることができる!もうここまでくると酒米の魔改造ですよ。

 たとえば、同じ山田錦でも麹のつくり方を変えれば「甘み少なめでうま味強めの味わい」のお米になったり、「甘みたっぷりでうま味少なめ」なお米になったりするのです。どうりで酒米の説明に「このお米でつくると甘みの強いお酒になる」とか書いていないわけです。麹のつくり方でお米から引き出される味を変更できるのですからね。

精米と麹説明図

 簡単にまとめると、酒米の種類、精米、麹の組み合わせで日本酒の原料としてのお米が完成するのです。酒米が重要なのはもちろんですが、精米と麹はつくり手側がコントロールできるので、酒米本来の味というのは飲み手からするとわかりにくくなるのですね。そのため酒米の説明はぼんやりとした表現になりがちなのです。

 僕らは食べ物を食べる時、その材料の味わいを直感的に想像します。牛丼と豚丼を食べ比べれば素材の味がわかりますよね。あんな感じです。そのため日本酒も原料で味が決まると考えるわけですが、日本酒は高度な技術で加工されるお酒なのでその直感が邪魔になるのです。

 いかがでしたでしょうか。腑に落ちなかった点が解消できたのなら嬉しいです!ご感想、ご意見お待ちしております。



 ビールと比較すると、よりいっそう日本酒のつくりがわかります。読んでみてください。







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