味の傾向：秋田県限定の純米大吟醸。香りはとてもおだやかで、ほんのりシロップ漬けの白桃の印象。味わいも落ち着いていて、トロトロしたシンプルな甘みが感じられる。食中では酸味が出てきて非常に美味だ。

合わせた料理：牡蠣の蒸し焼きのポン酢がけ

僕の評価：８０点／１００点（普段着の高級新政）

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　こんにちは～、日本酒ブロガーの神奈川建一です。

　前回に引き続き秋田酒です！「新政（あらまさ）　佐藤卯兵衛　生酛純米　R3BY」であります。なんと去年の年末にレビューしたのと同じ貴重な新政ですよ。秋田の友達に大感謝です。

　もう一度説明しておくと、このお酒は秋田県限定の新政で、仕様は純米大吟醸クラスとなります。また毎年のようにスペック（アルコール度や精米歩合など）が変わるのが特徴ですね。なので味がぜんぜん違うこともあるようです。

　前回の佐藤卯兵衛（R1BY）は開栓直後はまったくの未完成で、じっくり熟成してようやく飲み頃になるという初心者お断りの高難易度酒でした。はたして今回はどうか？ドキドキです！

　スペックを確認しましょう。

　アルコール度　１５％（原酒）

　精米歩合　３０％

　日本酒度　不明

　酸度　不明

　アミノ酸度　不明

　製造年月日　２０２２年３月

　出荷年月日　２０２３年１月

　純米、吟醸香あり、原酒、火入れあり

　

　前回の佐藤卯兵衛と比べるとアルコール度は１４％から１５％へ上がり、精米歩合は４０％から３０％に下がりました。けっこうな変化ですね～。お酒が完成してから１年弱熟成している点は同じようですね。

　冷やしてグラスにそそぎます。う～ん、やはりきれいですねー。キラキラしています。これぞ大吟醸といった堂々とした見た目ですね。火入れなのでよく見るとイエローのトーンが少しあります。不純物も見られず、しっかりろ過されているようです。

　香りを確認します。！？、すっごくおだやかです！シロップ漬けの白桃のような甘い果実香がありますが、ほんのわずかですね。普通の新政ではかなり珍しいのではないでしょうか。飲んでみましょう。

　すご～～～く柔らかい甘み。とろとろでヌルりとした舌触りが極上の味わい！

　さすが新政の大吟醸です。磨きががったまろやかな甘みが素敵ですねぇ。

　ただ、わりと地味な印象を受けます。新政らしいフルーティさは少なく、研ぎ澄まされた甘味をひたすら飲んでいるかのようなのです。

　しかし、これが食事と一緒に飲むことで一気においしくなります！

　今回は牡蠣の蒸し焼きを合わせてみましたが・・・超最高でした！お酒からじわっと酸味が出てきて一気に華やかになるんですね～。パッと花が咲くみたいです。それでも食事を邪魔するほどは強くないので、あくまで酒が脇役という印象です。奥ゆかしいお酒ですね～。

　とても落ち着いた味わいの、食中酒タイプの新政でした～。これはよそ行きの化粧していないお酒ですね。秋田の自宅でリラックスして飲む、そういうお酒なのでしょう。秋田県限定なのがよくわかります。

　しかし、以前飲んだR1BYとの差が激しいです（笑）。新政の大きな魅力の１つとして、常に進化し続け、味が変わっていく点があります。この地元向けの佐藤卯兵衛も変わっていくのでしょう。再来年はどうなっているのか、楽しみです。

　「新政　佐藤卯兵衛　生酛純米　R3BY」、しっとりとした地元酒としてつくられた新政です。秋田でぜひ飲んでみてください。