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味の傾向:白鶴が新発売したカップ酒。アルコール度19%の原酒だ。香りはしっかりしたメロンのようなフルーティタイプ。味わいはアルコールの刺激感が強いが、甘味・酸味がしっかりバランスを取っていて不思議に飲みやすい。見事な調整だ。

合わせた料理:タコわさ、ザーサイ

僕の評価:80点/100点(この飲みやすさはすごい)

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 こんにちは〜、日本酒ブロガーの神奈川建一です。

 今回は久しぶりの大手酒蔵の商品です!「白鶴(はくつる) 香るうまくち原酒」であります。

 2022年の2月ぐらいに発売された新商品のようで、ちょうど1年前ぐらいですね。大手酒蔵あるあるなのですが、日本酒の新商品って量販店にめったに並ばないので、存在をまるで知りませんでした(汗)。

 このお酒の特色はなんと言ってもアルコール度の高さ!19%の原酒なんですね。地酒が低アルコール化しまくっている時代にこの度数の高さ、まったく違う顧客に売っているんだなーと実感します。

 スペックを確認しましょう。

 アルコール度 19%(原酒)
 精米歩合 不明
 日本酒度 +1
 酸度 2.0
 アミノ酸度 1.3
 醸造アルコール添加、吟醸香あり、原酒、火入れ

 精米歩合が不明ですが、他の数値がわかってありがたいです。アルコール度が高いのでその他の数値も特徴的ですね。

 日本酒度はかなり低めで甘味が強いことが予想できます。酸度も高いのですが、アルコール度と日本酒度からするとそんなに酸っぱく感じないかもしれませんね(甘味とアルコールの刺激は酸味を感じにくくするためです)。

◆刺激的なのにまろやか!?

 ちゃんと冷やしてグラスに注ぎます。色はしっかりイエローのトーンがついてますね。甘い原酒ならではの色づきでしょう。精米歩合も低くはないでしょうね。

 香りを確認です。むむ!?メロンのにおいだ!商品名に「香る」って付けるだけありますね。アルコール度が高いので、いわゆる吟醸酒のような上品な印象にはなりませんが、十分いい香りです。飲んでみましょう。

 迫力ある味わい!しかし、不思議とバランスが取れているぞ!

 これは驚きです。飲みやすいじゃないですか!なんだろ、まろやかな感じなんです。

 予想どおり強い甘さです。しかし、しつこくないんですよね〜。醸造アルコールや酸味がバランスを取っているのでしょう。

 アルコールからくるビリビリした刺激はあるのですが、苦くないんです。これは本当にすごいな。甘味や旨味がうまく苦味を消しているのでしょう。

 これだけ度数高いのに単体で飲めちゃうので、おつまみは味の濃い珍味系がよいです。塩辛、タコわさとかね。塩っぱいのが苦手ならキムチや味の濃いチーズなんていいでしょう。おつまみがあるとよりこのお酒の甘味が感じられますよ。

◆大手らしい精密な味わいの設計

 いや~、派手ながらもきっちりバランスの取れた日本酒でした。生産量が桁違いに多い大手ならではだと思いますね。少しでもバランスがくずれれば苦みが強くなると思うのですが、その心配がないのはさすがです。

 一番大きな市場(年齢の高い層)に向けて商品をつくらないといけないので誤解されがちなんですが、大きい酒蔵の技術力ってすごいんです。このお酒はそのすごさをしっかり感じられて嬉しかったですね。

 「白鶴 香るうまくち原酒」、手軽に楽しめる大手酒蔵の本気。味わってみてください。

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