写真 2023-06-17 21 37 40 (1)

味の傾向:アルコール度が日本酒最高の21%というお酒。香りは、少しアルコールが鼻につくが穏やか。味わいは想像以上に滑らかでほんのり甘い。すっきりしていて飲みやすい驚きの1本だ。

合わせた料理:釜玉うどん、豚丼のアタマ

僕の評価:75点/100点(びっくりするぐらい飲みやすい)

◆◆◆

 こんにちは〜、日本酒ブロガーの神奈川建一です。

 今回は長野のお酒です。「夜明け前(よあけまえ) 大辛口 R4BY」であります!夜明け前は、個人的にお気に入りの長野酒ですね。

 このお酒の最大の特徴は、アルコール度が21%あることです!もう焼酎ですよね、こりゃ(笑)。法律上、日本酒のアルコール度は22%未満と定められているので、事実上、最高のアルコール度数の日本酒と言えます。

 日本酒の魅力の1つが、アルコール度数の幅がとても広いことです。昔はほとんどの日本酒が15%ぐらいでしたが、今は下は一桁%から、上は21%までバリエーション豊かです。アルコール度数はお酒の骨格を決める重要な要素ですので、日本酒の楽しさは大きく広がっていると言えるでしょう。

 スペックを確認しましょう。

 アルコール度 21%(原酒)
 精米歩合 麹米60%/掛米70%
 日本酒度 +18
 酸度 不明
 アミノ酸度 不明
 醸造アルコール添加、吟醸香なし、原酒、火入れ

 アルコール度も目立ちますが、日本酒度もすごい。+18です!限界まで発酵させて、お酒の中の糖分を減らしているのがわかりますね。そこに醸造アルコールを添加しているので、かなり焼酎などの蒸留酒に近いお酒と言えそうです。

◆飲みやすくて恐ろしい

 冷酒でグラスに注ぎます。ほほう、結構色がついていますね。ややくすんだイエローでしょうか。そこまでしっかり色づいているわけでもないのですが、原酒なので濃く見えるようですね。

 香りを確認しましょう。あれ、穏やかだ。もっとアルコールの刺激とかあると思ってましたが、ちょっとツンとくるだけで、気になりません。食中にどうぞって感じなのかな。飲みましょう。

 むっっっちゃまろやかだぞ!??飲みやすいーー!

 なにこれ、すごい。本当にアルコール度21%なの?

 口当たりに刺激がありません。ピリピリこないのです。むしろ、ほんのり甘くて飲みやすいぐらい。糖分が少しは残っているので、明らかに焼酎とは違う味わいです。

 味の中盤から苦味と刺激がきます。しかし、強すぎるという印象もなく、ほどよくドライな印象でサッとフィニッシュします。すごいな、なにこれ。

 料理も予想以上に邪魔しないので、ジャンクな和風おつまみなんて好相性です。麺つゆの効いた釜玉うどん、豚丼のアタマはよかったですねー。他には、かき揚げとか牛すじ煮込みなんてたまらなそうです。昭和な気分で飲みたいですね。

◆アルコール度の不思議

 このお酒は一年中楽しめると思いますが、夏はかなりおすすめだと思います。日本酒特有の糖分が少ないので、サラッとしていて暑い季節でもゴクゴク飲めます。アルコール度21%なので、ゴクゴク飲むとヤバいですけどね!

 しかし、興味深いお酒でした。ほとんど焼酎のようで、やっぱり日本酒なのです。人の嗜好って本当に不思議なものです。微妙な違いで受ける印象がまるで異なりますね。

 「夜明け前 大辛口 R4BY」、一度飲むとハマってしまうかもしれない面白い1本です。日本酒の可能性を感じてみてください。

写真 2023-06-17 21 37 35