味の傾向：白麹を利用した酸味が売りの純米酒。香りは酸味を予感させる、はちみつ入りヨーグルトのような印象。味は口当たりからシャープな酸味がくる酸っぱいタイプ。日本酒らしく甘さ旨さがあるので、白ワインとは異なる独特な味わいだ。

合わせた料理：豚肉＆もやしたっぷりすき焼き鍋、とりカツ

僕の評価：８０点／１００点（ワインと並べて飲むの最高）

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　こんにちは～、日本酒ブロガーの神奈川建一です。

　今回は広島のお酒です！「富久長（ふくちょう）　海風土 sea food　純米　R4BY」であります。当ブログ初の銘柄ですね。

　日本酒といえば、昔は酸味が徹底的に嫌われるお酒でした。酸味は甘味を邪魔するので、日本酒らしいきれいな甘さを損なう味とされていたのです。場合によっては雑味として扱われたそうですよ。

　しかし、時代が変わって、酸味も日本酒の個性と考えられるようになりました。そんな酸味系日本酒の代表とも考えられているのが、この海風土ですね。海風土と書いて「シーフード」って読むんです。ラベルデザインのよさも相まって、いい味を期待しちゃいますね！

　スペックを確認します。

　アルコール度　１３％（原酒）

　精米歩合　麹米６０％／掛米７０％

　日本酒度　不明

　酸度　不明

　アミノ酸度　不明

　純米、吟醸香あり、原酒、火入れ、白麹使用

　日本酒度等の数値が不明ですが、アルコール度１３％の原酒で白麹（酸っぱいクエン酸を生産する麹）を使っているスタイルです。同じく酸味系日本酒の代表である、新政の亜麻猫を思わせますね。日本酒の常識を超える酸味を予感させます。

　しっかり冷やしてグラスにそそぎます。おお～、けっこう黄色の色がついています。クリスタル、とまではいかないのですが、十分透明度のある見た目ですね。糖分もそこそこあるのでしょう。

　香りを確認します。そこまでフルーティな印象はありませんね。香り全体も穏やかです。はちみつが入ったヨーグルトのような、甘さと酸っぱさをイメージさせる香りです。飲んでみましょう。

　酸ッッッッぱい！！！鋭い酸味、だけど日本酒らしい味わい！

　酸味、強い、めちゃくちゃ強い！！こりゃ、ワインにも負けないぜ！

　飲んだ瞬間からシャープな酸っぱさが襲ってきます。あきらかに日本酒の常識を超えています（笑）。

　そんな酸味を、日本酒らしい甘味うま味が上手にバランスを取ります。後味はビターな苦味があって、グレープフルーツみたいですね。

　これがもう、油をふんだんに使った料理と最高に合うんですよ！もやしたっぷりの豚すき焼き鍋！とりカツ！めっちゃうまい！！日本の白ワインと一緒に飲んだのですが、ワインと大差ない酸味で驚きました。それでいてやはり甘味うま味があるので、すき焼きのタレや白米には海風土の方が合いましたね。

　いや～、おいしかったです。正直、最初どうやって楽しめばいいかまったく想像できなかったのですが、白ワインと交互に飲んだらそのよさが瞬時に理解できました。飲み比べって学びが多いですね。

　これだけ酸味が多くても和食にピタッと寄り添うのですから、日本酒は日本酒ですね～。辛口が多いワインでも甘口のものがあるのですが、やっぱり似合うのは地元西洋の料理なんですよね。食文化って面白いです。

　「富久長　海風土 sea food　純米　R4BY」、日本酒らしさの詰まった、豪快な酸味たっぷりのお酒です。ぜひ、ゴクゴク飲んでみてください！