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味の傾向:静岡の銘酒・磯自慢のハイコスパ酒。香りは華やかなメロン・白桃のにおいだが、穏やかで控えめな印象。味は抜群の滑らかな舌触りに明確な甘味。後味はキリッとした苦味でビターなタイプ。食事を盛り上げてくれる傑作だ。

合わせた料理:ピーマンの煮浸し、ハンバーグ、豚肉入りお好み焼き

僕の評価:85点/100点(食事のおいしさが倍増する)

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 こんにちは~、日本酒ブロガーの神奈川建一です。

 久しぶりの静岡酒をご紹介!「磯自慢(いそじまん) 特別本醸造 R4BY」ですー。2年ほど前にも同じお酒をいただいていますね!



 静岡のお酒はとても特徴があって、「爽やかな果実香、淡い酒質、キリッとした辛口」といった味わいがメインの、レベルが高いお酒がたくさんそろっています。個人的にすごく好みですね。

 ただ、今の流行の味わいじゃないせいか、どーも話題に上がる機会が少ないように感じます。いやいや、めっちゃうまいんですよ!悔しいので、静岡酒代表である磯自慢の美味しさを語らせていただきますッ。

 スペックを確認します。

 アルコール度 15~16%
 精米歩合 麹米55%/掛米60%
 日本酒度 +5~+7
 酸度 1.1
 アミノ酸度 不明
 醸造アルコール添加、吟醸香あり、加水あり、火入れ

 まさに淡い辛口酒といった印象ですね。アルコール度はバランスのいい15%台。醸造アルコールと加水でお酒のエキス感が薄まっているはずです。日本酒度は+5以上ということで、やや辛口。ただ酸度(酸っぱさ)が1.1と非常に低いので、相対的に甘く感じると思われます。

◆食事のうま味が何倍にもなる!

 グラスに冷酒の状態でそそぎます。おお~、透明度高い!クリスタルな見た目ですね。色もほとんど付いていません。ごく薄いイエローでしょうか。淡い味わいを予感させます。

 香りを確認してみましょう。華やかフルーティ~な香りです。明確なメロンや白桃のイメージですね。しかし、香りは強くないです。本醸造らしいにおいと言えるでしょう。飲んでみます。

 めちゃくちゃまろやかな甘味!後味はビターで、キリッと〆てくれる!!

 これよ、これ。淡い味わいと、しっかりした甘味の両立こそ磯自慢の真骨頂です!

 予想通り甘い印象が強いです。フルーティな香りが口の中に広がるので、その影響もありますね。

 ただ、お酒自体は糖分が少ないので、しつこくなくサラっとしています。飲みやすいんですね。

 後味は酸味ではなく苦味でキレるタイプです。この苦味は静岡のお酒でよく見かけるのですが、かなりはっきりしているので好き嫌いが分かれるところですね。

 しかし、この苦味が料理をおいしくしてくれるんです。

 ハンバーグや、豚肉入りのお好み焼きとか最高ですよ!肉のうま味が日本酒のうま味と相乗効果を発揮して、とんでもなくおいしくなります。これはワインやビールでは、なかなか体験できないですね。磯自慢・特別本醸造は糖分も控えめなので、サラッとしていて料理に合わせやすいです。食事と一緒だと苦味も気にならなくなるので、一石二鳥ですよ。

◆気軽に飲める磯自慢

 やっぱりおいしい~と再確認できました。これで一升瓶3784円です。お値段高めの磯自慢の中では、トップクラスにコスパがいいお酒でしょう!

 上に書いた通りはっきりとした苦味があるので、お酒単体で飲むのには向いてないと思います。そのあたりが同じく傑作酒である、飛露喜の特別純米との違いですね。しかし、食中では化けますので、ぜひ試してみてください。

 「磯自慢 特別本醸造 R4BY」、静岡酒を楽しむならベストな選択肢の1本です。1年を通して楽しめるでしょう。

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