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味の傾向:静岡を代表する銘柄がつくる、買いやすいお値段の本醸造酒。香りは穏やかでほんのり爽やかな印象。味はやわらかいタイプだが、しっかりとした骨格も感じさせ飲みごたえは十分。飲み飽きない日常酒だ。

合わせた料理:ホタテ醤油バター、クラゲの刺身、茹でとうもろこし、冷奴

僕の評価:85点/100点(コスパ良すぎ)

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 こんにちは~、日本酒ブロガーの神奈川建一です。

 今日も僕が大好きな静岡酒をご紹介です!「喜久酔(きくよい) 特別本醸造 R4BY」です。今回は一升瓶で買っちゃいました。なんと2310円(税込)です!お買い得ですね~。

 静岡のお酒は僕の好みド真ん中なので、ついつい贔屓してしまします。ほとんどの商品が、「辛口で糖分が少ない、加水多めで淡い味わい、酢酸イソアミル系の爽やかで軽い吟醸香」というスタイルで統一されているので、安心して買えちゃうんです。淡くて軽い食中酒好きとしては、静岡酒は外せません!

 喜久酔という銘柄は、限定酒をつくらず、商品ラインナップが通年販売の定番酒のみとなっています。こういうことは、なかなかできないものですよ。1本1本のお酒に対する自信をうかがわせますね。


 今回のお酒は、そんな定番商品の中でもとても買いやすい特別本醸造酒です。醸造アルコールが添加されているタイプですが、静岡酒は醸造アルコールと好相性。味わいが楽しみですね。

 スペックをチェックします。

 アルコール度 15~16%
 精米歩合 60%
 日本酒度 不明
 酸度 不明
 アミノ酸度 不明
 醸造アルコール添加、吟醸香あり、加水あり、火入れ

 日本酒度は不明ですが、おそらくプラス寄りの辛口でしょう。他の数値はごく普通と言っていいですね。醸造アルコールを添加して、さらに水を加えて割り水をしているので、どれだけ淡い味になっているかが気になりますね。

◆ちょっと完璧すぎません?

 キリッと冷やしてグラスにそそぎます。薄く黄色に色づいていますね。とはいえ、白い背景にグラスをかざさないとわからないレベルです。加水したお酒としてはよくある見た目でしょう。

 香りを確認してみましょう。ふんわり涼し気でクールな香りが漂ってきます。主張は少ないけど、上品ですね~。食事を主役にする脇役酒のにおいと言えますが、お酒としての存在感もちゃんとあります。いいぞ、いいぞ~。飲んでみましょう。

 予想通りの穏やかな味わい、しかし骨格を感じさせるしっかりとしたコクがあり、めちゃくちゃうまい!!

 すごい、軽い味なのに、飲みごたえすら感じさせます。これが本当に醸造アルコール添加のお酒ですか!?

 甘味・うま味が適度に抑えられていて、淡い、穏やかな味わいです。どんな料理にも無理なく似合うタイプですね。

 それなのにコクがあって水っぽさがありません。まるで純米酒のようなしっかりとした味の存在感。これはすごいんですよ!さらに静岡酒にありがちな苦味も少ないです。こりゃ~、飲むのが楽しすぎますね!

 食事はまったく選びません。どんな料理でも持ってこいやぁ!って感じですね。魚介類はもちろん合うけど、塩や醤油でシンプルに味付けしたものなら、なんでも極上の肴になるでしょう。白米も美味しく食べれるので、丼ものなんかもおすすめですね。

◆アル添の経済性に感心

 僕はつねづね「アル添は最高の味をつくるためのテクニック」と言い続けているのですが、今回はそれに加えてアル添の経済性にも感心しました。こんなにおいしくて安いのですから、消費者からしたらありがたい以外の何物でもありません!

 この経済性が過剰に行き過ぎたのが高度成長期の日本酒であり、その反動が今も日本酒の流行に影響を与え続けているのですね。酒蔵さんが出す新商品が純米酒ばかりなのはちょっとさみしいですが、いつかアル添酒の味に注目されるようになるといいなと思っています。

 「喜久酔 特別本醸造 R4BY」、コスパ最強レベルの食中酒です。一升瓶で買いましょう!

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