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味の傾向:新潟の人気銘柄・麒麟山の原酒。香りはほんのり甘くてとても穏やか。味は意外にも甘く、トロみも感じる。アルコール度の高さからくる力強さがあるが、バランスよく飲みやすい味わい。クラシックなタイプの日本酒だが、むちゃくちゃ面白いお酒だ。

合わせた料理:ねぎとろユッケ丼

試した飲み方:ロック、ソーダ割り

僕の評価:75点/100点(ユーザーフレンドリーなお酒)

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 こんにちは~、日本酒ブロガーの神奈川健一です。

 今回のお酒は新潟!「麒麟山(きりんざん) 伝統辛口 原酒 R4BY」になります。当ブログ初レビューの銘柄ですね。

 八海山や久保田が有名すぎるので目立っていないですが、麒麟山も新潟を代表する大手酒蔵がつくる日本酒です。最近は関東でも、スーパーなどの棚に並ぶことが増えましたね。今回は近所の量販店で買いました。

 このお酒は、麒麟山の定番酒「伝統辛口」の原酒バージョンとなります(お酒をしぼった後にお水を加えていないお酒のこと)。そのアルコール度はなんと21%!もうほとんど焼酎みたいな度数ですね(笑)。昔飲み屋で飲んだ時は、衝撃でしたね~。

 ちなみに、日本酒の最大のアルコール度数は21%なのですが、唯一この度数の日本酒でのみ梅酒を自家製造してもいいのだそうです。なんでも、20%以下の日本酒で仕込むと違法なのだとか。不思議なルールですねぇ。

 スペックを確認しましょう。

 アルコール度 21%
 精米歩合 不明
 日本酒度 不明
 酸度 不明
 アミノ酸度 不明
 醸造アルコール添加、吟醸香なし、原酒、火入れあり

 とにかく、アルコール度21%が最大の注目点ですね!この前飲んだ長野の「夜明け前・大辛口」もそうですが、醸造アルコールを添加した度数の高い原酒は、不思議なほど飲みやすいので、この麒麟山もそんな味が想像できます。吟醸づくりをしていない普通酒ということで、素朴な日本酒らしい味わいを期待しちゃいますね。

◆意外に万能!ロックもうまい!

 しっかり冷やしてグラスにそそぎます。お、色はほとんど付いていないですね~。ほぼ透明です。これは新潟伝統の活性炭ろ過でしょう。スッキリした味なのかもしれません。

 香りを確認。ぽわ~っと甘いにおいが漂います。アルコールっぽさがあまり出ていなくて、予想よりずっと飲みやすそうですね。無駄な香りがほとんどなくて、しっかり調整しているのがよくわかります。

 では、飲んでみましょう。

 なんとも言えないトロみのある甘さ!これぞ21%の日本酒が生み出す摩訶不思議な味わいだ!!

 きましたよ、辛口なのになぜか甘く感じる味わい。面白いったらありゃしません!

 フルーティさはありません。昔ながらのクラシックな日本酒というイメージの味ですね。

 少ないながらも糖分がお酒の中に含まれているのですが、その糖分とアルコール度の高さが組み合わさると、かなり甘い印象になるんですね。これぞアルコール自体が持つ甘味の影響です。

 こんな風に甘く感じるのですが、実際には辛口のお酒ですし、醸造アルコールも添加されているので、全体的にサラッとしていてスイスイ飲めます。これは危険なお酒ですよ!

 料理は和食であれば、ほとんど選びませんね。刺身とかは難しいかもしれませんが、僕はねぎとろユッケ丼に食らいつきながら、ごくごく飲みました。ロックや炭酸割りとの相性もよく、特にロックは真夏にぴったりでした。体をクールダウンしながら飲む日本酒は、なかなか面白い経験でしたよ。

◆アル添のハイアルコール原酒はおすすめ

 いろいろな飲み方ができる上に飲みやすいので、かなりユーザーフレンドリーなお酒だと感じました。もともとは年2回の出荷だったものが、レギュラー商品化したというのも頷けますね。

 しかし、アルコールって面白い液体です。人を酔わせたり、甘かったり、すっきりしていたり。このお酒はそんなアルコールの楽しさを、じっくり楽しめる1本です。日本酒に慣れてきたら、ぜひ試してみてほしいですね。

 「麒麟山 伝統辛口 原酒 R4BY」、高いアルコール度にひるむ必要はありません。おいしいですよ!

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