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味の傾向:静岡人気酒蔵の定番純米酒。香りはとても穏やかで落ち着いている。味は甘味よりうま味がメインのドライなタイプ。後味のビターなテイストもたまらない。食事と合わせると上品な甘味がじんわりと出てくる食中酒だ。

合わせた料理:小松菜のお浸し、炒めゴーヤ

値段:1430円/720ml

僕の評価:75点/100点(熱燗も試してみて)

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 こんにちは~、日本酒ブロガーの神奈川健一です。

 さて、今回は僕が大好きな県、静岡のお酒をご紹介!「白隠正宗(はくいんまさむね) 誉富士純米酒 R4BY」であります。とても人気の銘柄ですが、当ブログでは初登場ですね。

 白隠正宗というと、フルーティな吟醸酒のメッカである静岡において、めちゃくちゃドライ寄りで硬派な味わいのお酒というイメージがあります。自分の好みをしっかりわかっている人のためのお酒って感じですね。

 今回のお酒は、おそらく一番の定番商品で、静岡のお米を使って静岡酵母で醸造した純米酒です。やはり蔵の名刺とも言えるレギュラー酒から味わいたいので、こちらをチョイスしてみました。

 スペックを確認しましょう。

 アルコール度 15%
 精米歩合 60%
 日本酒度 不明
 酸度 不明
 アミノ酸度 不明
 純米、吟醸香あり、加水あり、火入れ

 アルコール度15%で精米歩合60%ということで、とても落ち着いた味わいが期待できます。名称が純米酒で、さらに静岡酵母を使用とのことなので、香りも穏やかなのでしょう。どのような味のバランスになっているのか、確かめてみましょう~。

◆ドライ&ビターな味わいに隠れている甘味を楽しむ

 ほどよく冷やしてグラスにそそぎます。ふ~む、ちょっとだけ色が濃いイエローといった感じでしょうか。とはいえ、普通の日本酒のレベルの色づきです。よく見ないと、ほとんど透明に見えるでしょう。

 香りを確認します。おお~、とても穏やかですねー。やはり吟醸酒ではなく純米酒です。一瞬青りんごのような果実の香りがするのですが、ふわっと消えていきます。わずかに熟した香ばしいにおいもありますが、これもほんのりレベル。実に落ち着いています。

 飲んでみましょう。

 じんわりくるうま味にキリッとした苦い後味は、まさにドライ&ビター!ほんのり味わえる甘味のバランスもグッドです!

 これぞ白隠正宗ですね!個人的にはすごく硬派だな~と感じる味です。

 上に書いた通り、味の主役はうま味と苦味です。とはいえ濃すぎるということはなく、十分に加水されているので、舌触りは滑らかで飲みやすいです。

 目立たない甘味は食中で楽しめる設計になっていて、しっかりした夕食に添えて飲むのを想定している印象です。脇役に徹する、白隠正宗らしい味わいですねぇ。

 料理との相性は、苦味のある野菜料理との組み合わせがよかったです。あの野菜特有の苦さがいいんですよ。小松菜とかゴーヤとかですね。山菜もいいでしょう。お酒の苦さと野菜の苦さが打ち消し合って、お酒の甘味がトロりと感じられます。醤油の味に弱いようなので、料理に使いすぎないほうがいいでしょう。

◆モダンクラシックな日常酒

 まさに質実剛健な純米酒でした!しかし、これだけドライなのに、ちょっぴり柔らかい印象もあって、昔ながらの日本酒にはない取っつきやすさがあるんですよね。少しモダンなクラシック酒という感じでしょうか。ここが支持されるポイントなのかもしれません。

 今回は真夏に飲んでしまったので、熱燗で飲めなかったのが心残りですね。このレビューを書いている現在は、ようやく猛暑が和らいできました。寒くなったら、今度は熱燗の白隠正宗を研究したいですね。

 「白隠正宗 誉富士純米酒 R4BY」、近寄りやすい硬派酒です。白米とおかずを添えて楽しんでみてください。

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