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味の傾向:通年販売されている大吟醸の生酒。フレッシュなリンゴとクールなミントを思わせる香りは実に爽快。味はしっかり甘いが、刺激的な舌触りがあるおかげでシャープでスッキリした印象に仕上がっている。軽快な大吟醸酒だ。

合わせた料理:生しらす丼、肉じゃが

値段:1925円/720ml

僕の評価:75点/100点(ひたすらクールな味!)

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 こんにちは~、日本酒ブロガーの神奈川健一です。

 今日は石川県のお酒をレビューします!「手取川(てどりがわ) 大吟醸生酒あらばしり R4BY」であります~。

 当ブログでは初登場の銘柄ですが、この前ご紹介した「吉田蔵u」がこの手取川と同じ吉田酒造店の商品なのですよ。手取川ブランドではクラシックな味わいの日本酒、吉田蔵uブランドではモダンな味わいの日本酒をリリースしているようですね。



 このように味わいでブランド分けるという戦略は、今後も増えていくかもしれません。日本酒の味わいが、辛口メインのクラシック系と、甘口メインのモダン系に大きく分かれつつあるのでしょうね。興味深い動きです。

 さて、この商品は大吟醸の生酒なのですが、なんと通年販売なのだそうです。あらばしりなんて名前がついているので、てっきり冬季限定の商品かと思ったのですが驚きです。

 今回買った商品は、7月に出来上がり9月に出荷されたお酒だそうです。通常は劣化のリスクがあるので、夏季に大吟醸のような繊細なタイプの生酒は販売しづらいです。面白い。これは興味がそそられますよぉ。

 スペックを確認しましょう。

 アルコール度 16%
 精米歩合 45%
 日本酒度 不明
 酸度 不明
 アミノ酸度 不明
 醸造アルコール添加、吟醸香あり、加水あり、生酒

 アルコール度がやや高めの、よく磨いたお米を使ったお酒です。醸造アルコール添加に加えて加水もされているので、大吟醸らしい繊細できれいな味わいが期待できそうですね。ただ、生酒であり、さらにあらばしりということがどう影響しているのかが未知数ですね。はたしてどんな味わいでしょうか?

◆夏酒みたいな爽快さ!

 しっかり冷やしてグラスにそそぎます。色は透明感高いです!さっすが大吟醸。ほんのり黄緑の印象でしょうかね。生酒なので外見も緑がかっています。

 香りを確認しましょう。うわ、めちゃくちゃ爽快なにおいがします!クールミントのような青っぽい香りがふわ~っと漂います。これは気持ちいいですね!生酒らしさが全開です。そこに切りたてのリンゴのような甘いにおいが混ざっていますね。涼し気な印象がたまりません。

 飲んでみましょう。

 柔らかくもしっかりした甘味、そこにピリピリした刺激が加わり軽やかで爽快!まるでラムネみたいな味わいだ!

 微炭酸のような刺激のある舌触りがたまりませんね~。夏酒のような爽快なお酒です!

 よく磨いたお米を使った大吟醸らしく、洗練された甘味がしっかりあります。基本的には甘いお酒と言ってよさそうですね。

 そこにピリッとした刺激が混ざるのですが、これがお酒の印象を軽快にしてくれているんですよ~。香りの気持ちよさも相まって、ラムネジュースみたいに感じられます。

 食事と一緒に飲んでもこの爽快さは失われないので、爽やかさが欲しいなと感じる料理との相性がよかったです。個人的には肉じゃがですね。もっさりとした肉じゃがの味に、シャープな手取川の味わいがばっちりフィットします!また大吟醸なので、生しらす丼のような繊細な料理にもよく合いました。

◆通年販売も頷ける味わい

 このお酒は9月に買ったものですが、2023年の9月は真夏並みに暑かったので、この手取川・大吟醸生酒の爽快さが実においしく感じられましたね。これは確かにいつでも飲めるように販売してくれると、嬉しい人も多そうです。

 日本酒は和食らしく、四季ごとに楽しみ方が変わるお酒です。冬の新酒の季節にフレッシュな生酒を楽しむのは昔からの風物詩ですが、正直夏にこそ似合うと思っていました。今回はそれがしっかり確認できましたね。冷蔵技術の進化に感謝です。

 「手取川 大吟醸生酒あらばしり R4BY」、繊細な味わいに生酒の爽快さが映える心地よいお酒でした。ぜひ飲んでみてください。

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