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味の傾向:お米の個性にこだわった純米酒。甘さも香りも控えめだが、その分うま味をたっぷり味わえる滋味あふれる味わい。個性的だがとても飲みやすい食中酒だ。

合わせた料理;油揚げのカリカリ焼き、フライドポテト+マヨネーズ、焼き厚揚げ

値段(税込):1650円/720ml

僕の評価:80点/100点(洗練されたうま味がすごい)

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 こんにちは~、日本酒ブロガーの神奈川健一です。

 本日は岐阜県のお酒をレビューです!「W(ダブリュー) 出羽燦々 純米 無ろ過原酒 火入れ R4BY」であります。当ブログ初登場ですね。

 大きくアルファベットのWを描いたこのラベルを、居酒屋などで見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。一度見たら忘れられないほど目立ちますよね~。特約店の数は少ないのですが、飲食店での人気が強い印象があります。

 僕も飲み屋さんなどで何度か飲んだことがあるのですが、濃厚な甘味とフルーティな香りがちょっと苦手な印象でした。なので、見かけても買っていなかったのですが、酒選びが保守的なのはいかん!と考え直して今回購入してみました。

 ネットで調べてみると、使われているお米の個性を大切にするブランドだそうでして、醸造工程(精米歩合や使用酵母など)を全商品ほぼ統一しているとのことです。そうすることによって、酒米の味わいをわかりやすく表現しているのだそうです。商品一覧を見てみると、確かにその気合がビンビンに感じられます!やはり商品ラインナップには蔵の個性があらわれますね。こういう尖り方、好きだな~。

 今回はそんな多くの商品の中から、山形県のお米である出羽燦々(でわさんさん)を使ったお酒を選んでみました。

 スペックを確認しましょう~。

 アルコール度 17%
 精米歩合 50%
 日本酒度 不明
 酸度 不明
 アミノ酸度 不明
 純米、吟醸香あり、原酒、火入れ
 
 アルコール度がかなり高い原酒ですね。間違いなくお酒の味は濃厚でしょう。精米歩合は50%なので、雑味のないきれいな香りと味が期待できます。それ以外は飲んでみてからですね。楽しみです!

◆洗練されたうま味が最高!

 冷やしてグラスにそそぎます。おっ、色は濃いめの黄色ですね。原酒であることと、火入れであることが影響していると思われます。あと、お酒の透明度がやや低いようですね。ちょっぴり濁っている印象です。ろ過を最小限にしているためだと思われます。

 香りを確認しましょう。あれ、香りがほとんどない!?てっきり甘いフルーツ香があると思ったら、ほんの少ししかありませんよ。これは意外ですね。他の香りもほぼなく、すごく落ち着いた印象です。

 飲んでみます。

 うひゃ~~~~~~~ッ!むちゃくちゃ滑らかでトロリとした舌触り。そして甘味よりうま味が目立つコクのある味わいだ!

 うおー!?予想外の味わいです。なにこれ、めっちゃ面白いんですけど!

 トロッとした舌触りは、無ろ過原酒らしい濃厚な味です。しかし、甘味がかなり少ないんです。そして代わりにうま味が出てきている。

 そして、その味がすごーくきれいなんですね。うま味たっぷりのお酒ってワイルドな印象だったりしますが、このW・純米出羽燦々は、上品で洗練されています。いや、この個性は面白いですね!

 料理は、醤油やオイスターソースのような調味料の味がストレートに強いものがよかったです。濃い味をお酒がスッと受け止めてくれるんですね。醤油をたっぷりかけた焼き厚揚げとか、オイスターで炒めた油揚げとか。マヨネーズをたっぷりつけたフライドポテトも、面白かったですね。

◆お米にかける熱意が半端ない銘柄

 いや~、意外な味わいにびっくりしたお酒でした。そしてかなり好みの味でしたね。やっぱりいろんなお酒を買ってみるもんです。

 出羽燦々というと、山形の華やかなイメージの吟醸酒を思い出すので、フルーティなお酒に似合う印象です。しかし、このWでは違う魅力が引き出されていましたね。やはり日本酒はつくる人の想像力次第です。感心しました。

 「W 出羽燦々 純米 無ろ過原酒 火入れ R4BY」、洗練されたうま味がすばらしい1本です。今後も期待ですね!

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