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味の傾向:栃木の酒蔵がつくる生酛づくりの純米酒。アルコール度が高くかなりドライな味わい。熱燗にすると軽やかになり、スリムな辛口酒に変化する。和食でしっぽり飲みたいお酒だ。

合わせた料理:かぼちゃの煮物、茹でにんじん、いぶりがっこポテサラ、揚げ出し卵

値段(税込):1320円/720ml

僕の評価:75点/100点(クラシックさ満点)

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 こんにちは~、日本酒ブロガーの神奈川健一です。

 今回は栃木県のお酒のご紹介です!「鷗樹(おうじゅ) 米だけの酒・生詰原酒 生酛造り」であります。お初の銘柄ですね~。酒屋さんで気になって購入しました。

 調べてみると、雄東正宗などを醸造している杉田酒造さんがつくっている銘柄みたいで、生酛づくりにこだわっているようです。ブランド紹介で、わざわざ「日本酒慣れしている方向けのお酒」と書いてあるのが、正直でいいですね(笑)。

 「米だけの酒」というこのお酒の名前は、いわゆる純米酒であることを意味しています。しかし、等外米という一定の基準以下のお米を使っているため、純米酒を名のれないのでこのネーミングになっているのですね。興味ある方は調べてみてください。

 この鷗樹は、いかにも熱燗が似合いそうな、力強い日本酒をたくさん販売している平塚の酒屋さんで買ったので、やはりそんな味わいを期待しちゃいます。さて、どうでしょうか?

 スペックを見てみましょう。

 アルコール度 18%(原酒)
 精米歩合 75%
 日本酒度 不明
 酸度 不明
 アミノ酸度 不明
 純米、吟醸香なし、火入れ、原酒

 やはり最大のポイントは、アルコール度18%の原酒であるということですね。お酒が持つ味わいを、ダイレクトに感じられるでしょう。精米歩合も75%と高いので、低精白特有のにおいや味わいがどれだけ強いのかが気になります。

◆パワフル!でも洗練さもある

 今回は最初から熱燗で!お酒の外見はしっかり色づいていますね。イエローがかっています。しかし、原酒で精米歩合75%にしては淡い色合いです。熟成はあまりしていないのでしょう。

 香りも確認します。おお、穏やか!アルコールのにおいもほとんど感じず、まるでお湯みたいです。これは安心するなぁ。

 飲んでみます。

 う~~ん、キレキレのドライな味わい!!ゴツいと思いきや、スマートでスリムですよ!

 食事の味わいをスパスパ切ってくれそうな、見事な辛口熱燗です!

 香りの影響だと思いますが、口当たりは本当にお湯みたいで、甘みも感じず実にドライです。苦味、酸味も目立ちません。

 とはいえアルコール度は18%ですから、濃厚な料理にも十分に対応できちゃう力強さがあります。これは面白いですね~。

 料理は濃い目の味わいがおすすめ!ではあるのですが、正直なんでもいいかも。熱燗で飲むとかなり万能感ありますね。自分は揚げ出し卵がよかったです。油で揚げた卵とめんつゆの味わいが、鷗樹のアルコールに溶けていく感じがたまりませんでした。

◆熱燗の面白さに改めて気づく

 もっと穀物感強めのワイルドなお酒かと思いましたが、スルスル飲めてしまう、スリムなドライ系純米酒でした。ここまで雑味がないとは意外でしたね。冷蔵保存が推奨されていたので、常温で熟成したりすると、大きく変化するのかもしれません。

 しかし、熱燗は面白いですね!こんなにアルコール度数高くても、飲みやすくなっちゃうのですから。やはり日本酒の面白さは温度にあるのだと思います。この冬はさらに熱燗を楽しみます!

 「鷗樹 米だけの酒・生詰原酒 生酛造り」、ドライでキレのいい熱燗だったら、このお酒におまかせです。ぜひ飲んでみてください。

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