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味の傾向:福井の若手蔵がつくる、しぼりたての日本酒。できたばかりのお酒らしく躍動感ある味わいだが、ていねいな調整により滑らかな印象の舌触りを実現している。すばらしい職人技を感じられる逸品だ。

合わせた料理:生姜焼き、じゃがいも醤油バター炒め、焼き厚揚げ

値段(税込):2090円/720ml

僕の評価:80点/100点(技術力めっちゃ高い)

◆◆◆

 こんにちは~、日本酒ブロガーの神奈川健一です。

 今回は福井県のお酒をご紹介です。「常山(じょうざん) 純米吟醸辛口 飛 しぼりたて直汲生 R5BY」であります~。当ブログ初登場の銘柄となります!

 常山というと、若手の杜氏さんが指揮を取り、メキメキと実力を伸ばしている蔵元という印象があります。品揃えのよい酒屋さんで見かける機会が多い気がしますね。北陸のエレガントなお酒は好みなので、今回購入してみました。

 この純米吟醸辛口・飛は、常山のレギュラー商品のようです。購入した時期が新酒のシーズンだったので、できたばかりのお酒を加熱処理せず瓶詰めした限定バージョンとなっています。生酒が好きな人にとっては、たまらない1本じゃないでしょうか?

 スペックを確認してみます。

 アルコール度 16%
 精米歩合 麹米50%/掛米60%
 日本酒度 +15
 酸度 1.7
 アミノ酸度 不明
 純米、吟醸香あり、原酒?、生酒
 (データの引用元は早坂商店さん今仲酒店さん

 目立つのはやはり日本酒度+15!これは辛口という商品名に恥じない数値ですね。お酒の中の糖分がしっかりアルコールに変わっているようです。酸度はやや高めなので、後味で酸味がどう感じられるのか注目です。アルコール度16%で、どうやら原酒っぽいのですが、確実な情報は得られませんでした。

 さあ、どんな味わいでしょうか?

◆ほんとうに辛口!?

 しっかり冷やしてからグラスにそそいでみます。お酒の外見は、そこまで色がついてませんね~。グリーンもイエローもほとんど感じません。細かい粒子が舞っているので、無ろ過かもしれませんね。グラスの底には泡が少し見えるので、直汲みらしい外見です。

 香りをチェック。うおおッ、めっちゃいいにおい!!メロン、ラムネという感じ。いや~高級そうな香りにテンションが上ります。しぼりたてのお酒にありがちな無駄なにおいがなくて、ハイレベルですよぉ。

 飲んでみます。

 刺激的で躍動感あるけど、不思議とまろやかに感じる!そしてなんか甘いよ!?

 な、なにこれ。ほんとうに日本酒度+15ですか!?

 しぼったばかりのお酒らしく、ピリピリと刺激的です。なのになぜだか「まろやか~」に感じるんです。これすごい。細部の味の調整が抜群にうまいんですね。

 さらにあきらかに甘味を感じます!個人的にはぜんぜん辛口って印象がない。まろやかで甘みがあって、後味はサラッとしている・・・いや、すごいぞこれ。

 濃い目のお酒という印象だったので、味の強いこってりした料理が好相性でした。生姜焼きや、じゃがいも醤油バター炒めのような、みりん・砂糖・醤油・バターなどを使った濃厚でしょっぱい料理がよかったですね。てりやきマックバーガーとかも、意外といい肴になるかもしれません!

◆謎の深まるすごいお酒

 めちゃくちゃおいしかったのですが、いまだに日本酒度+15が信じられません。ほんとうですか、日本酒度+4ぐらいじゃないんですか!?(笑) 不明であるアミノ酸度が重要なのだろうか・・・。う~ん、日本酒の奥の深さ、半端ないです。

 それにしても、常山の酒づくりの技術力は半端ないですね。実に感心しました。昨年、福島の廣戸川で体験した驚きを思い出します。味の細部まできっちり計算しつくされているような美しさがあるんですよ。いや~、今後もぜひ注目したい銘柄です。

 「常山 純米吟醸辛口 飛 しぼりたて直汲生 R5BY」、めちゃくちゃ完成度が高いしぼりたて生酒でした。ガチでおすすめです!

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