写真 2024-03-05 20 11 51

味の傾向:岩手県の酒蔵がつくる限定酒。アルコールの強さをいかしたパワフルな味わい。甘味もしっかりあるが、後味のキレがよく飲み疲れない。丁寧な設計が光る1本だ。

合わせた料理:アンチョビポテト、味噌カツ

値段(税込):1650円/720ml

僕の評価:80点/100点(もっと評価されるべき)

◆◆◆

 こんにちは~、日本酒ブロガーの神奈川健一です。

 今回は岩手県のお酒です!「鷲の尾(わしのお) 黒鷲 純米酒生酒 R5BY」となります~。

 鷲の尾は岩手県八幡平市の大更という地域でつくられているそうで、調べてみるとかなり山の方にあるみたいです。正直なところ、関東地方ではめったに見ないブランドですよね。見たことある方、いらっしゃいます?

 この黒鷲は岩手の酒屋さん・坂本酒店さんのプライベート商品でして、以前紹介した鷲の尾・白鷲とペアになっているお酒です。白鷲がおりがらみ(にごったお酒)で、こちらは通常の澄んだお酒なんだそうですよ。白鷲はアルコール度が高くてとても美味でしたので、今回も期待しちゃいます!

 それではスペックを確認しましょう。

 アルコール度 18%
 精米歩合 70%
 日本酒度 不明
 酸度 不明
 アミノ酸度 不明
 純米、吟醸香あり、原酒?、生酒

 仕様は白鷲と同じですね。原酒表記はありませんが、アルコール度18%ですし、ほぼ原酒でしょう。間違いなく濃い味わいになるはずです。精米歩合が70%と高いのですが、前回の白鷲はまったく粗さを感じさせない見事なできでした。今回も同じように仕上がっているでしょうか?注目です。

◆アルコールの強さがしっかりいかされている

 キリッと冷やしてグラスにそそぎます。お酒の外見は・・・そこそこ色がついている?という感じです。黄緑のトーンですね。原酒で精米歩合70%であることを考えると、わりと色がついていない方かと思います。

 香りを確認します。甘~い香りがふわ~っと漂いますね。ほどよい強さで、きれいです。そこまでフルーティ!という感じではないので、純米酒らしい落ち着いたにおいと言えます。

 飲んでみます。

 迫力のある甘味がドーンとくる!しかし、後味が爽やかでキレがよく、スイスイ飲めてしまう!

 あー、これはやばいやつです。僕が大好きなタイプのハイアルコール日本酒ですよぉ。

 予想通りパワフルな味わいです。糖分の甘みに加えて、アルコールの甘さも乗っているので、どっしりしたテイストですね。これぞアルコール度18%の魅力です。

 そして特筆すべきは、後味のキレのよさ!まるで醸造アルコールを添加したお酒のように、甘みをサッと流してくれる刺激と苦味が心地よいです。これは上手ですねぇ。

 これだけ濃いお酒なので、料理も濃いものがいいですね。キレもあるので、食中でもしつこくなく安心です。アンチョビの塩辛さをきかせたポテトはよかったですね。味噌カツもなかなかいいです。濃厚な八丁味噌のタレが、この黒鷲の味とよく合いました。

◆万人向けのハイアルコール日本酒

 僕はアルコール度が高い日本酒が好きなのでよく飲むのですが、その中でもこの黒鷲は誰にでも勧められるクォリティを持っていますね。甘すぎず辛すぎず、そしてサラッとしている。お酒好きなら、日本酒に興味がなくても楽しめるのではないでしょうか。

 そして鷲の尾さん、関東でも手に入るようになってくださ~い。これだけ技術力が高ければ、首都圏でも人気になると思います。気長に待っております!

 「鷲の尾 黒鷲 純米酒生酒 R5BY」、岩手限定にしておくにはもったいないほど、整った味わいの濃厚な日本酒でした。オススメです!

写真 2024-03-05 20 11 35 (1)