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味の傾向:十水仕込みという特殊な製法を利用した特別純米酒。トロリとした重みのある甘さはまさにスィーツのよう。マロン、クリーム、カラメル、と多様な甘さが楽しめる甘口酒だ。

合わせた料理:カブの浅漬け

値段(税込):2200円/720ml

僕の評価:70点/100点(応援したい)

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 こんにちは~、日本酒ブロガーの神奈川健一です。

 今日は神奈川のお酒をレビューです!「セトイチ 風が吹いたら 特別純米 十水仕込み」であります。当ブログ初登場銘柄ですね~。

 この2つの半円がデザインされたラベルは、何度か酒屋さんで見かけていたのですが、購入したことはありませんでした。しかし、手に取ってみると「十水仕込み」で「神奈川県」のお酒とのこと。これは県民として、買わずにいられない!と購入してみました。

 十水仕込みのお酒は好きなんですよ~。普通のお酒のつくり方と比べて、より少ない量の水を使って製造する方法でして、濃厚な味わいのお酒がつくれます。以前、山形県の同じつくり方のお酒を飲んで、感動した経験があります。今回もとっても楽しみです!




 スペックを確認しましょう。

 アルコール度 18%
 精米歩合 70%
 日本酒度 不明
 酸度 不明
 アミノ酸度 不明
 純米、吟醸香あり、火入れ、加水あり、十水仕込み、※1年ほど酒屋さんで熟成

 アルコール度は18%!ということで、十水仕込みと相まって濃厚な味が期待できます。アルコールのキレも加わるので、バランスがよさそうですね。精米歩合が高めなので、どう影響するか注目です。このお酒は、出荷後1年ぐらい酒屋さんの冷蔵庫で保管されていました。この貯蔵の影響がどのぐらい出ているかにも注目です。

◆和菓子のような甘さ

 冷酒にしてグラスにそそぎます。色を確認してみましょう。お。しっかり色づいていますね~。黄色、いや茶色に近づいていますね。くすんだ黄金色といった印象です。精米歩合の高さ、濃厚さ、熟成の影響が重なっているのでしょう。

 香りをチェックします。ほほう?香りがかなり穏やかです。熟成感のある香ばしいにおいや、バナナっぽい香りがありますが、とても少なく軽い。意外なまでに上品ですね~。

 飲んでみます。

 マロンのような甘みに、カラメルを思わせる苦み。ねっとりした舌触りのザ・甘口酒だ!

 期待通りの濃厚さ。いいですねぇ!

 天津甘栗のような、甘いけどちょっとビターな印象の味わいです。カラメル感もありますね。クリーミーでまろやかな印象もあります。酒屋さんでの熟成も、いい方向に作用しているようです。

 アルコールの刺激が、この濃厚な味わいを和らげています。香りも落ち着いているので、飲みづらさはあまり感じないですね。

 料理はいろいろ試しましたが、個人的にはシンプルな塩味のおつまみが最高でした!やっぱりこれだけ濃厚なお酒だと、味の多い料理は肴としては過剰な気がします。カブの浅漬けは、純粋な塩味がお酒の味わいをより際立たせてくれるので、たまりませんでした!お新香、たくあん、高菜などもやってみたかったですね。

◆十水仕込みの可能性

 期待に反しない、しっかりつくられた濃醇なお酒でした~。やっぱり十水仕込みはいいですねぇ。おそらく手間がかなりかかるので、楽につくれるお酒ではないでしょうけど、他のお蔵さんでもトライしてほしいジャンルです。

 この風が吹くについては、もう少し舌触りの滑らかさがあるとよりいいなと思いました。アルコール度の高さはお酒の軽快さにつながるのですが、滑らかさが弱まる点が難しいところです。今後、どう進化していくのか楽しみですね。

 「セトイチ 風が吹いたら 特別純米 十水仕込み」、神奈川県産の十水仕込み、その可能性を味わってみてください!

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