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味の傾向:岩手の人気酒蔵がつくる、アルコール度12%の純米酒。白桃やシャインマスカットのようなさわやかな甘味に、はっきりした渋味が混ざり、実に軽快な味わい。楽しく酔うことができる1本だ。

合わせた料理:サーモンの和風カルパッチョ、納豆味噌和え、ズッキーニのステーキ

値段(税込):2200円/720ml

僕の評価:80点/100点(さすがの完成度)

◆◆◆

 こんにちは~、日本酒ブロガーの神奈川健一です。

 今回は岩手のお酒をご紹介です。「赤武(あかぶ) SAKURA R5BY」であります!桜という名前の通り、春限定の商品となりますね。アルコール度を12%におさえた、低アルコールの日本酒です。

 実は私、最近は低アルコールの日本酒が苦手になってきたのですよ。甘味が過剰になりやすく、低アルコールゆえに後味のキレが悪くなることが多いので、自分の好みに合わないな~と感じていました。

 しかし、このSAKURAは、あの赤武がつくったお酒です。今年のはじめに飲んだ純米酒は、スケールの大きい見事な味わいで感動しましたね~。赤武なら低アル日本酒もすばらしいに違いない!と、失敗覚悟で購入してみました。

 スペックを確認してみましょう。

 アルコール度 12%
 精米歩合 60%
 日本酒度 不明
 酸度 不明
 アミノ酸度 不明
 純米、吟醸香あり、生酒、原酒?

 低アルコールであることと、生酒である点がポイントですね。原酒かどうかはわからないので、もしかしたら加水をして味を薄めているかもしれません。日本酒度などの数値は不明ですが、通常低アルコールで醸造すると糖分は多くなるので、ある程度甘いのは想像できますね。

◆強い渋味が心地いい!

 しっかり冷やしてグラスにそそぎます。外見を確認してみましょう。おお、透明度の高い見た目ですね~。ほぼ無色です。お酒をしぼってからすぐ出荷したのでしょうか。加水している可能性もありそうですね。

 香りを確認します。ほ~、果実の香りがしっかりあります!メロン、マスカット、白桃でしょうか。穏やかですが、明確ににおいますね。低アル日本酒は、香りがほとんどないことがあるのですが、このSAKURAは大丈夫です。さすが赤武ですね~。

 飲んでみます。

 シャインマスカットのような軽やかな甘味!そこに強い渋味が混ざり合い、まるでフルーツジュースみたいだ!

 おおお、この渋味すごくないですか?いままでにない果実感です!

 予想通り甘いですが、濃厚ではない軽い甘味ですね。さっと消えていくので舌に残らず気持ちいいです。

 そして渋味!梨を食べた時に感じるような、フルーツを思わせる渋味ですよ。酸味もあるのですが、渋味が印象に残るので、甘酸っぱいお酒とは異なる不思議な果実感を味わえます。

 料理は幅広く合いましたが、和風の味つけをしたサーモンのカルパッチョがよかったですね~。サーモンの脂っぽさに、お酒の渋味がいい感じにマッチして、すばらしい相性でした。白ワインとも違う不思議なペアリングは、SAKURAならではと言えるでしょう。

◆結論:赤武すごい!

 いやいや、すごい完成度でした。赤武の技術力はハンパないっす。自分が低アル日本酒に感じていた苦手な要素が、ばっちり解決されていました。飲んだ時に味の淡さを感じたので、加水してアルコール度を下げているのかもしれませんね。だとしたら、それもまさに自分好みです。

 やっぱり技術力のある蔵は圧倒的ですね。お酒の設計図がすばらしく、それを実現できる力もある。こういう酒蔵は希少ですから、やはり赤武から目が離せそうにありません。

 「赤武 SAKURA R5BY」、間違いのない春の1本です。ぜひ花見のお供にどうぞ!

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