味の傾向：佐賀県の人気酒蔵がつくる純米酒。ほんのりとした白桃の香りに、うま味の乗ったドライなスタイル。料理に合わせてお酒の印象が変わり、その万能っぷりが半端ない。すごい。

合わせた料理：豚肩ロースとソーセージのポトフ、冷奴、キムチ、こんにゃくステーキのからし酢醤油和え

値段（税込）：１５９５円／７２０ｍｌ

僕の評価：８０点／１００点（さすが鍋島）

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　こんにちは～、日本酒ブロガーの神奈川健一です。

　今回は佐賀県のお酒となります！「鍋島（なべしま） 特別純米 CLASSIC 山田錦 R5BY」です～。人気銘柄として、長く親しまれているお酒ですね。ネット通販では、プレミア価格となっていることが多いです。

　自分はなぜか鍋島とは相性が悪くて、買うのを避けていました。いや、おいしくないというわけではないのですが、周りのみんなが「おいしい！」って喜んでいるのに、自分だけ共感できないのが悔しいというかなんというか・・・。結局、鍋島の購入は７年ぶり（！）となってしまいました。

　しかし、７年もあれば、酒蔵の味は変わりますし、なにより自分の舌の好みが変わります。運よく酒屋さんの店頭で見つけたので、この特別純米を買ってみました。さあ、印象はどう変わるでしょうか？

　スペックを確認しましょう。

　アルコール度　１５％

　精米歩合　６０％

　日本酒度　不明

　酸度　不明

　アミノ酸度　不明

　純米、吟醸香あり、加水あり、火入れ

　特別純米のスペックとしてはすっごく普通です！（笑）なので、わかることはなにもないですね。純米吟醸ではなく特別純米を名のっているので、「香りは穏やか」ということぐらいしか予測できませんね。とりあえず飲んでみましょう。

　冷酒でグラスにそそぎます。お酒の見た目はとてもきれいですね。透明度が高く、ほとんど色がついていません。うっすら黄色？ってぐらいですね。丁寧な火入れと加水による結果でしょう。

　香りをチェックします。うお～～、おだやかだけど上品で甘いにおい！白桃って感じでしょうか。香り自体は弱めですが、無駄なにおいもなくクリアで食欲をそそる印象です。期待が高まりますねぇ。

　飲んでみます。

　口当たり甘いけど、すぐうま味がドーンときてドライになる！複数の味が複雑に絡み合った奥深い味わいがすごいッ。

　ををを？この味わい、めっちゃ好みなんですけど！

　飲んだ瞬間はしっかり甘いです。でもすぐうま味に取って代わられ、さらに苦味・酸味・刺激がグググッと混ざってくる。言っていることが伝わっていないと思いますが、味が多いのに不思議とバランスがよく、エレガントな印象なんです！

　この味わいは、複雑味と言ってもいいんじゃないでしょうか。でも、味がごちゃごちゃしているなんてことはなく、スルスル飲めちゃうんです。

　そして食事との相性の万能さ！単独でもおいしいけど、食中ではもっとおいしいですよ！

　醤油をかけた冷奴とかキムチのような、塩味がきいた肴では、お酒の甘味がぶわっと広がり、酒メインで楽しめます。逆にポトフとかこんにゃくステーキのような、味が濃くて重い料理では、鍋島が脇役に徹して料理の味を邪魔しません。それでもお酒の存在感はしっかり感じられるので、そのバランスのよさに唸りますね～。

　４合瓶１５００円ちょっとでこの味わい、破格と言っていいんじゃないでしょうか？いやー、めちゃくちゃおいしかった！全方位においしく隙がないです。さすが長年トップを走り続けているだけありますね。

　やはり昔に苦手だったお酒に再度チャレンジしてみるのは面白いです。５年もたてば、自分の好みも酒蔵の味も変わります。こういうのは日本酒ならではだと思います。偏見に惑わされないようにすれば、いつでも新鮮な気持ちでお酒が楽しめそうですね。

　「鍋島 特別純米 CLASSIC 山田錦 R5BY」、コスパ最高の万能酒でした。見かけたらぜひ飲んでみてください！