こんにちは~、日本酒ブロガーの神奈川健一です。
最近はみなさんと同じように、日本酒のおいしさを楽しんでいる毎日です。ところで、あの世界一おいしい酒である日本酒の味において、主役と言えばなんでしょうか?はい、そうです。甘味ですね!うま味もかなりすごいですが、やはり日本酒の甘さこそが全人類を虜にする一番の原因だと思います。
対して、日本酒の酸味については、みなさんはどのようなイメージを持っているでしょうか?最近はやや酸味の目立つお酒も増えてきましたが、基本的には脇役の味という印象ではないでしょうか。お酒によっては、酸味なんて存在すら感じないこともあると思います。
しかーし、日本酒において酸味はとっても大事なのです!醸造に失敗して酸味が多すぎる(もしくは少なすぎる)と、味全体の印象が変化してしまい、お酒がまったくおいしくなくなることもあるのです。日本酒の味のバランスを整えるために、酸味は地味に、でもしっかり縁の下でがんばっているのですね。けっしていらない子ではないのです。
今回はそんな日本酒の酸味について、知っていると楽しくなるお話をしようと思います。日本酒の味がどうやってつくられているのか?その一端がわかるきっかけになると嬉しいです。
①日本酒の甘さを決めるのは酸味である
日本酒においては地味な酸味ですが、僕たちが感じるお酒の甘味の強弱を決めているのは、実はこの酸味なのです。日陰の存在と思いきや、なんと甘味を操る黒幕なんですよ!
まず、酸味が強めのお酒は、本来の日本酒が含んでいる甘味(多くは糖分由来)よりも、甘さを感じなくなります。酸味が強くなると、さっぱりした印象のお酒になるのですね。
これは甘酸っぱいお酒を思い出していただければ、理解しやすいのではないでしょうか。甘さが強くても、酸味のおかげでごくごく飲めた経験はないですか?果物のジュースなども、本来はすごく甘いのですが、酸味があることによって飲みやすくなっています。どちらも同じ仕組みですね。
もっと面白いのが逆のパターンです。なんと、酸味が少なくなると、甘みが強く感じるようになるのです!な、なんだってー!?
人間の味覚において、甘味と酸味というのは一種のトレードオフのような関係にありまして、一方が減ればもう一方は増えるように感じるのです。不思議ですね~。
そのため、酸味を少なくした日本酒は、本来の甘さより甘く感じられるのです。この調整がうまく使われると、「甘くないのに甘く感じる、ドライさとスィートさが同居した日本酒」が完成します。これは新潟の八海山や、福井の黒龍が得意としているので、興味がある方は飲んでみてください。
②日本酒の後味をつくるのは酸味である
皆さんは日本酒の酸味を、飲んでいる時のどのタイミングで感じるでしょうか。おそらく、口に含んで少し時間がたった後、飲み込むちょっと前ぐらいのタイミングではないでしょうか。
これは人間の味覚の癖が原因です。食べ物を食べた際に、僕らの脳は甘味とうま味を優先的に探そうとします。そのため、同時に口の中に入っているのに、酸味は後回しにされ、甘味やうま味の後から感じることになります。ワインのような酸っぱいお酒でも、ゆっくり味わうと、最初は甘味から感じることが確認できますよ。
このため日本酒においては、酸味は後味で活躍します。おいしい後味がつくれるかどうかは、酸味次第とも言えるでしょう。後味というものはお酒全体の印象を決める重要なポイントなので、やはり酸味は地味ながらも大切な役割をになっているわけです。
後味における酸味のパターンはいろいろあります。シャープな酸味ですっきりした後味をつくったり、苦味と一緒になって長く深い余韻を感じさせる後味をつくったりと、バリエーションは数多いですね。日本酒の酸味が表情豊かであることがよくわかります。ぜひ皆さんも、お気に入りの日本酒の後味で、酸味がどんな働きをしているか確かめてみてください。より、理解が深まるはずですよ~。
◆◆◆
日本酒の酸味についての面白い話、いかがでしたでしょうか。日本酒は多くの味が混ざり合う味覚の芸術品です。しかし、どうしても甘味やうま味が目立つ分、酸味って注目されないよな~と思って、この記事を書いてみました。
日本酒を飲めば飲むほど、この味をつくり続けている酒蔵さん、現代まで日本の味を引き継いできてくれた先人たちに、感謝が尽きなくなりますね。今後もじっくり楽しんでいきたいです。
お読みいただき、ありがとうございました!
神奈川建一()
LINEオープンチャット開設しました。お気軽にどうぞ~。
「日本酒情報交換会」
Instagramではブログの転載をしています。こちらが読みやすい方はご利用ください。
神奈川建一(kanagawakenichi)
おすすめ日本酒店・サケストリートです!
神奈川建一()
LINEオープンチャット開設しました。お気軽にどうぞ~。
「日本酒情報交換会」
Instagramではブログの転載をしています。こちらが読みやすい方はご利用ください。
神奈川建一(kanagawakenichi)
コメント