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味の傾向:佐賀県の人気酒蔵がつくる純米吟醸酒。味わいは甘みたっぷりの青リンゴジュースの印象。しっかり甘いのに、メインの食事にもサラッと合う。意味不明なほどの超絶万能酒だ。

合わせた料理:カブの浅漬け、新玉ねぎ丼、鶏肉の塩唐揚げ

値段(税込):2200円/720ml

僕の評価:85点/100点(対応力半端ない)

◆◆◆

 こんにちは~、日本酒ブロガーの神奈川健一です。

 今回は佐賀県のお酒のレビューです。「鍋島(なべしま) 純米吟醸 雄町 生酒 R5BY」となりまーす。今年2度目の登場ですね!

 前回、数年ぶりに鍋島を飲んでみて、あまりの完成度に度肝を抜かれたので、再度別のお酒を買ってきました。いや~、あの特別純米酒はヤバかったですねぇ。



 今回はお値段高めの純米吟醸酒をセレクト。精米歩合50%でアルコール度16%なので、よりお酒を主役にした飲み方が似合う商品と思われます。前回の特別純米は、どんな料理にも合う万能感がたまりませんでしたが、こちらはどうでしょうか?
 
 スペックを見てみましょう。

 アルコール度 16%
 精米歩合 50%
 日本酒度 不明
 酸度 不明
 アミノ酸度 不明
 純米、吟醸香あり、加水あり、生酒

 注目はアルコール度ですね。16%なので、15%のお酒より味の輪郭がしっかりしているはずです。フルーティ系を得意とする鍋島では、甘味や酸味が際立つのだろうな~と予想できますね。生酒なので、フレッシュさや微炭酸によるガス感も期待したいです。

◆甘くてフルーティなのに、ご飯ものもいけちゃう!

 しっかり冷やしてグラスにそそぎます。まずは外見チェック。お、透明度高いですが、黄緑のトーンがしっかり見えますね。精米歩合50%にしては、色合いが濃い気がします。加水が少ないのか、熟成が長いのか、どちらかでしょうか。

 香りを確認します。おお!さすが鍋島、きれいでくっきりしたフルーツ香です。青りんごですかね?他にはジュージーなメロンの印象もあります。洗練された、鍋島らしいにおいです。

 飲みます。

 「甘味たっぷりの青りんごジュース!こんなに甘いのに、食中ではスッと大人しくなるぞ!?」

 ??????!なんじゃこりゃあ!?

 予想通り、果実感ある甘味が強く主張しています。そこに適度な酸味・苦味・微炭酸の刺激が混ざって、日本酒らしい味わいになっている。

 すごいのは、丼ものや揚げた肉のようなガッツリした料理と一緒に飲んだ場合、これだけ甘味のあるお酒なのに、スッと地味な脇役酒になる点です。普通ならご飯と喧嘩しそうな味なのに!どうなっているんだろう、これ。

 あらゆる料理と合わせて楽しめるお酒だと思います。カブの浅漬けのような塩味の肴と合わせると、濃密な甘味を味わえる。新玉ねぎ丼(甘辛く煮詰めた玉ねぎをのせた丼)や鶏の唐揚げでは、料理を引き立てる食中酒に大変身する。いや、恐れ入った。なんなんこれぇ!

◆バランスこそお酒のおいしさの真髄

 またまた鍋島マジックを感じさせてくれる、傑作日本酒でした。明らかに甘いのに、どうやって食中でのバランスを取っているんでしょうか?実は意外と糖分量は少なくて、他の味との調整で甘口のお酒と錯覚させているのかもしれませんね。

 こういうお酒を飲むと、おいしいお酒はバランスのいいお酒のことなんだよなぁって再認識させられます。甘口でも他の味わいとの調整が上手にできていれば、料理を選ばない万能の味わいが実現できるんですね。さすが鍋島、大いに感心しました。

 「鍋島 純米吟醸 雄町 生酒 R5BY」、最高レベルのバランスを誇る万能酒です。どなたでも満足できると思いますよ。おすすめ!

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