こんにちは~、日本酒ブロガーの神奈川健一です。
皆さんは、食べ物において好き嫌いはあるでしょうか?自分の場合ですと、幸いにも特定の食材(ニンジンとか生魚とか)が食べられないということはないのですが、苦手意識があって、ついつい避けがちな料理はあります。
その料理を一言であらわすと、「地味な和食」となるでしょうか。田舎に帰った時に、おばあちゃんが出してくれるような料理のイメージです。ボソボソして食べづらく味も苦かったりして、子供の舌には似合わないタイプですね。思い出してみると、だいたい自分の母親に食わされて、イヤになっているようです(笑)。
具体的に料理名をあげると、おからの煮物とか、山菜を使った料理ですね。やたらにしょっぱい佃煮や、納豆汁なども入ります。茹でたモロヘイヤなんかも、すごく苦手でしたなぁ。味つけに何のフォローもなく、野菜特有の苦さとネバネバ感があるのでキツかったですねぇ・・・。
大人になってもそういうタイプの料理は、食べたことあるなしにかかわらず苦手意識があったんです。しかし、最近になって日本酒と一緒に食べると、めちゃくちゃおいしく感じるということに気づいたんです。これにはびっくりしました。え、すごくおいしくなるじゃん!って。
例えば「ふきの煮物」などですね。ふきは、アク抜きの手間がかかるのに、青臭くて苦い食材です。ほうれん草の方が絶対いいと思っていましたが、これがなんと日本酒に合うこと、合うこと!月の井のにごり酒と一緒に食べたのですが、ふきの煮物特有のクセが、にごり酒のうま味に包まれて、とてもいい感じになるのです。ふきの苦みや青臭さが、逆においしく感じるのですから面白いですよ。
他には、「わらびのお浸し」に廣戸川とか、「納豆汁」に春霞とか。こういう組み合わせを、最近少しづつ見つけられるようになってきました。そういったペアリングは、普通の食べやすい料理にはない感動を味わえるので、かなり驚きました。この理由はなぜでしょうか?
自分が考えるにその原因は、日本酒が和食をおいしくするために進化してきたからだと思います。今ほど食料事情が豊かでなかった頃は、おいしくない食べ物も生きるために食べないといけなかったと思うんですね。山菜とか塩辛い佃煮や、他にはヒエとかアワとかも。今は脇役になっている食材でも、昔は日常的に食べられていたのでしょう。そういう食べ物を使った料理を、少しでもおいしく楽しめるようにしてくれたのが、日本酒だったのではないでしょうか。
今は食べやすい食材がたくさんあるので、そのような食べ物は口に入れる機会が減ったわけです。しかし、あえて食べて日本酒と一緒に飲むと、僕らのご先祖が考えた工夫が、現代によみがえる気がするんです。ああ、自分のじいちゃんのじいちゃんのじいちゃんは、少しでも楽しい食卓をつくるために苦労したんだなぁと、その歴史を感じて嬉しくなってしまうのですね。
クセのある食べ物は、食べやすい食材にはない良さがあるのですが、日本酒と一緒にいただくと、クセだけ軽減されて、良さを楽しみやすくなるのもいいところです。これは日本酒が、甘味とうま味をたっぷり持っているお酒であるということが、おおいに役立っていると思います。
こういう経験をすると、食文化ってすっごく奥深いな~と感心します。何百年もの積み重ねをへて、目の前の料理は完成したのだと考えると、新鮮な驚きを感じますね。日本酒と料理の最高の組み合わせを見つけると、奇跡的だ!と感動するのですが、あながち言いすぎでもないよなぁと思います。
お酒と一緒に食事をいただくことは、日本文化を旅するようなものだと思います。これからもたっぷり楽しみたいですね。
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