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味の傾向:佐賀の酒蔵による低精白日本酒の愛山バージョン。芋を思わせる甘い香りに、ふっくらとした甘味と強めのアルコール感が混ざり合う。日本酒が穀物から生まれることを再確認できる1本だ。

合わせた料理:さつまいもの醤油バター炒め、じゃがいものバター炒め、鶏肉のつくね

購入価格(税込):1623円/720ml

僕の評価:75点/100点(光る個性)

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 こんにちは~、日本酒ブロガーの神奈川健一です。

 今回は佐賀のお酒です!「七田(しちだ) 純米 七割五分磨き 愛山」となります~。七田の紹介はなんと8年ぶりです(!)。

 七田はいろいろな商品を発売していますが、個人的に代表作だと思っているのが純米・七割五分磨きシリーズです。精米歩合が75%で統一された商品ですね。低精白日本酒が注目される前からずっと続いているお酒なんですよ。

 最近のきれいすぎる低精白日本酒とも違う、独特の荒々しい味わいが魅力だと思っています。今回は、甘口派から強い支持を受けている酒米・愛山を使ってつくられた1本を選んでみました。どんな味わいになっているのか、楽しみですね。

 スペックを確認します。

 アルコール度 17%
 精米歩合 75%
 日本酒度 不明
 酸度 不明
 アミノ酸度 不明
 純米、吟醸香あり、火入れ、原酒?

 精米歩合75%と、アルコール度17%が目立ちますね。おそらく原酒なのですが、表記はありません。間違いなくパワフルな酒質になるスペックですが、どう仕上げてくるのか。テイスティングが楽しみです。

◆穀物感、芋感が気持ちいい
 
 このお酒は常温がいいと思うので、常温でグラスにそそぎます。外見を確認しましょう。そこそこ色づいていますね。くすんだイエローという感じでしょうか。裏ラベルに無ろ過と書いてあるのですが、そんなに無ろ過という印象は受けません。透明度は高めですね。

 香りをチェック。おお、甘い穀物を思わせるようなにおいです。そうか、芋か!さつまいもとか里芋の甘みを思わせるような香りです。思い込みかもしれませんが、九州のお酒だなぁって感じますね。これは期待が高まります。

 飲んでみます。

 「ふっくらした甘味がいかにも穀物っぽい!パワフルなアルコール感と甘味のバランスが取れている、穀物系甘口酒だ!」

 日本酒は穀物のお酒なんだよな~ってことを再確認できる味わいです。しみじみうまいなぁ。

 フルーティ系の日本酒とは違う、ちょっと雑味があるような印象の甘味が主役です。さつまいものような感じですね。じんわり甘くてコクのある味わいです。

 アルコール度が高いのでしっかりした苦味やピリピリ感がるのですが、甘味とバランスが取れているので気になりません。このバランス感が七田って感じがしますね。75%のお酒をつくり慣れているのでしょう。

 合わせる料理はこってりしたものがいいと思います。当然のごとく芋料理はばっちり合います!バターを使うといい感じでしたね。鶏つくねのような、肉料理に濃い味つけをしたものも好相性でした。力強い酒質に似合うのを探してみてください。

◆熱燗もおすすめ

 熱燗にすると甘味が減って軽い印象のお酒になりますね。苦味も減るのでなかなかいいです。冷酒はちょっと苦味が強すぎるので、おすすめできないかなぁと思いました。

 低精白日本酒はもともとこんな感じにパワフルで力強かったよなぁ、と再確認できたのがよかったです。最新の低精白酒はめちゃくちゃきれいですからね~。そっちもいいけど、こっちもやっぱりいいです。

 「七田 純米 七割五分磨き 愛山」、芋っぽいワイルドな味が魅力の純米酒です。ぜひ試してみてください。

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