こんにちはー、日本酒ブロガーの神奈川健一です。

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今回も前回に引き続き、岩手の超新星、20代の若手杜氏が醸すブランド「赤武」をご紹介!前回の「熟成生酒」と同時に購入した 、「赤武 純米ひやおろし」だぁ!

この赤武を造る赤武酒造、アル添(醸造アルコールを添付した、純米酒じゃない日本酒)をよくリリースするようで、最近も新酒を「NEW BORN」というネーミングで発売したんだけど、純米とアル添の2本立てだったりする。こういのって最近の純米一辺倒の地酒では珍しくて、面白いなぁと。

なんか純米の行き過ぎに、ちょいと反抗してる感じがして楽しい。「アル添も凄いんだぜ?」という岩手からの声が聞こえてくるようだ。

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閑話休題。今回は秋の名物「ひやおろし」として発売された1本。 購入自体はちょっと前。当然1回火入れの後夏の間熟成したもので、恐らく同時に買った「熟成生酒」と対になった商品。向こうは火入れなしの熟成なわけで、その差を楽んでもらうのが蔵元の狙いなんだろうね。

うーん、ついつい飲み比べをしたくなる、愛好家の心理をわかった商品展開!素晴らしいじゃないか。きっと蔵元は、日本酒が日常品から嗜好品へ変わったことをよく理解している。日本酒(というか清酒)全体の消費量は減ってるのに、特定名称酒(純米酒や吟醸酒のこと)の生産量は増えているという数字の上の変化を正しく把握してるのだろうなぁ。

もっと清酒全体の生産量は下がると思うけど、日本酒の未来は明るいようなぁって、こういうお酒と出会うと強く感じますね。応援しなくっちゃ!


さてさて、恒例の口開けです。純米らしく、ぐいっと飲んでみましょうか!

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「熟成生酒」と並べてパチリ。生酒の方が派手な明るい色のラベル、火入れして落ち着いてる「純米ひやおろし」はぐっと渋い暖色のダークカラー。うーむ、ラベルに個性を見事に反映させてるなぁ。こういうシンプルで色を重視したパッケージングは、新政を彷彿とさせるね。 

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「純米ひやおろし」の文字。これも視認性高いのに味のある文字だなぁ・・・ええなぁ・・・。



さくっと蛇の目のお猪口に注ぐ!

トクトク、トトトトトトトトトトトトッ、ピチョン

うーん、4合瓶ならではの気楽な酌である。こういうのが日常のお酒スタイルなんだろうね。考えてみれば、一升瓶なんて、女性には重すぎて注ぐってレベルじゃねぇ。ワインが女性受けして、日本酒がイマイチなのは、瓶文化の違いにあると思います、僕。これからは、反撃の時だけどな!


さて、冷酒で飲んでみる。ごくりごくり、・・・・・ムムムム?淡麗辛口テイスト?甘さが極めて少なく、サラリとしたテイストだ。これは意外!へ~、赤武もこんなお酒造るんだ。「熟成生酒」が派手な味だったので、ちょっとびっくり。しかし、真の驚きはこの後だったッ!

食事(この時はキノコのホイル巻酒蒸し) といっしょに食べながら飲み始めると・・・ををを!?甘みと酸味が出てきたッ!?これは、そうか、食べ合わせで味が変化する変化自在のお酒。あれだ、青森の「田酒 特別純米」を思い出す!牛丼に合わせればまた変化し、シチューに合わせても同様。きっと酸度や日本酒度のバランスが、都心の食事にきっちり合うように狙ってるんだと思う。ハンパないセンスだな!


うーむ、こういう食事に合わせて味が変化するお酒は沢山あるけど、田酒・特別純米は全部いい方向に変化する稀有なお酒。 そのお酒を思い起こさせる「赤武 純米ひやおろし」・・・もう、すげぇですよ、ますますここのお酒を飲みたくなってきた。

 温めると、35℃(人肌燗)ぐらいで甘さと酸味がバランスをとり、45℃(上燗)ぐらいになると甘さは退場して、痛快な酸味だけのお酒になる。いやはや、熱燗も完璧に楽しめますよ!こりゃあ、ひやおろしのお手本みたいなお酒ですわ! 


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うはー、赤武、初めて買いましたが、ここまでの質の高さとは思わなかった。28BYも指名買いの銘柄ですよ、皆さん!ただ、ネット上で聞いた話では、若手蔵らしい、出来不出来の激しいところだって感想もあった。まあ、これは飲んで確かめるしかないけど、いかにもありそうな話。そこを含めて来年は赤武と付き合っていきたいね。

「赤武 純米ひやおろし」食事といっしょに飲むのには、ベストパートナーと言って差し支えない見事な日本酒だった。もし居酒屋などで見かけたら、ぜひお好みの食事と合わせて飲んでみて欲しいな。食中酒の意味がわかりますよッ。


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名称:赤武 純米ひやおろし
精米歩合:60%
酒米:不明
アルコール度:15%
日本酒度:不明
酸度:不明 
蔵元情報:赤武酒造 株式会社
購入価格(税込):1404円/720ml
購入日:平成28年10月8日 
購入店:かがた屋酒店(店頭)