こんにちわー。お酒ミライの神奈川建一です。

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あけましておめでとうございます!昨年は皆様に大変お世話になりました。今年も日本酒で頑張っていきますので、お付き合いいただければ嬉しいです。


さてさて、新年一発目の記事はお正月らしいお酒の登場だ。岐阜の古酒専門酒蔵・白木恒助商店の「達磨政宗(だるまさむね)酉年限定ブレンド」をご紹介しよう!


達磨政宗は日本酒業界でも極めて珍しい古酒専門のブランド。古酒好きマニアには定番ブランドと言えるね。

え、古酒ってになにか知らない?しょうがないですなぁ、僕が解説してさしあげましょう!(偉そう)


古酒とはその名の通り古いお酒のこと。いわゆるエイジング(熟成)させたお酒のことで、ウィスキーや赤ワインが有名なのは聞いたことがあると思う。日本では泡盛が有名で、実際「古酒」でネット検索すると、泡盛の解説がトップにくる。

実はこの熟成させた古酒、日本酒でも長い歴史があり江戸時代など特に珍重されたものだった。だがしかし、明治の税制改革や、戦中戦後の物資不足の影響で一気に縮小してしまい、日本酒の古酒はほとんど市場流通しなくなってしまったのだ。

しかし、日本酒の古酒はそれはそれは美味しいもので、ごく一部の日本酒バカ日本酒を愛する者達が地道に普及活動を行っていた。昨今は地酒の認知も進み、それに伴い古酒の存在も段々知られるようになった。現在は古酒専門のバーなどもオープンしている、とてもいい時代になってきたのだ。

より詳しい解説などは、こちらのサイトがお勧め。長年古酒の啓蒙に努力してきたところ。いや、こういう活動、マジ頭が下がるぜ。

長期熟成酒研究会:熟成古酒とは



達磨政宗はそんなマイナーな存在であった古酒に、昭和50年台から取り組んできた酒蔵のブランド。そりゃあもういろんな古酒が揃いまくりで、なんと昭和50年から1年刻みでビンテージのお酒が買えちゃうのだ(500mlで36720円!!)。

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今回ご紹介の「酉年限定ブレンド」は、過去の酉年である昭和56年、平成5年、平成17年の古酒をブレンドしたという、なんとも縁起が良いもの(今年はバランスを整えるため平成9年のも入ってる)。専門ブランドゆえ、ビンテージアルコールらしいお値段の高さが達磨政宗にはあるのだが、この商品は古酒入門用の位置づけだそうで、とてもお求めやすい(720ml1458円税込)。まさに蔵元の良心の賜物。嬉しいじゃないか!

さっそくグビッとイカせてもらうぜ!


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見てくださいよ、この可愛いラベル!黄色地も手伝って、実にめでたい印象だ。この達磨風アレンジもキュート。毎年出てるので、コレクションしてる人も多そう。

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誇らしげな長期熟成古酒の文字とマル限の印。1300本限定だそうだけど、これはなんと10本目らしい。わお、1本目も入荷したのかな。


パキパキッとキャップを開ける。古酒は常温と熱燗の美味しさが格別。最初は常温でイクぜッ。


ドヴォン、ドヴォン、ドヴォン、トクトクトクトク・・・・・


色は完全に赤茶色!いやあ、これが美しいんだ!見たことない人は紹興酒をイメージしてほしい。実際味も近いところがある両者だけど、やはり日本酒の古酒には日本酒にしかない良さがあるんだよね。

ゴクリと飲む。うおおお、すんばらしい円やかさ。スムージーと言えよう!しっとりと甘い!渋みや酸味、苦味といった、刺激的だけど甘さの邪魔をする要素は綺麗に取り除かれている。そこにあるのはお米の熟した旨みのみ・・・。素晴らしい!!

これ、例えるの簡単。午後ティーストレートです、これ。見た目も似てるけど、味も似てる。そして紅茶特有の渋みはなく、ひたすら甘い・・・ああああ、甘美すぎるぅ。


ハァハァしながらも、熱燗(50℃)にトライ。うぎゃおおおお~~、更に旨いぞぉおおおおお!!甘さも増し増しになり、円やかさはより迫力を増してきたっ。日本酒は熱燗にすると苦味が強化されることが多く、僕はこれが苦手なんだけど、この達磨政宗酉年限定ブレンドはそれが全くない。ぽっちゃりしたお米の甘さのみが、ジワワワ~と口の中に広がる。ああ、幸せってこういうことだなぁ。


resizeP1100395いやはや、恐ろしい「杯が進んでしまうお酒」だったぜ。実際あっという間に無くなってしまい、これは一升瓶で買うべきだったと後悔したものだ。最近は酒屋さん巡りで買うお酒が増えたので、4合瓶主体の購入になていたのが裏目に出た模様。うむ、何事にも良いことと悪いことがあるんだなぁ。ま、そこまで言うほどのことじゃないけどさ(笑)。新年なので、なんか為になった風のこと、言ってみたかったのだ!


「達磨政宗 酉年限定ブレンド」、古酒を愛する蔵元らしい、良心と古酒の魅力が詰まった素敵なお酒だった。飲みにくさは皆無なので、贈り物にも古酒初体験にも間違いなく強く推薦できるぜ。新年早々、新しいことにチャレンジするのはいかが?挑戦の年にぴったりのお酒である!


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名称:達磨政宗 酉年限定ブレンド
精米歩合:不明
酒米:不明
アルコール度:14%~15%
日本酒度:不明
酸度:不明 
蔵元情報:合資会社 白木恒助商店
購入価格(税込):1458円/720ml
購入日:平成28年12月2日 
購入店:味ノマチダヤ(店頭)


購入アドバイス
毎年発売されるので、12月頭ぐらいから特約店を回ると良い。達磨正宗は公式HPで特約店を詳細に掲載してくれてるので、近くに見つけたらぜひ問い合わせてみよう。通販でも扱うところがあるようだ。古酒のため保存が容易だからか、各年度の限定ブレンドを揃えて販売しているところもある。これもまたお勧め。


オススメ酒販店

味ノマチダヤ

今回の購入店。東中野の駅からちょっと歩いたところにある地酒酒店。お店からはみ出て並ぶ数々の酒瓶に度肝を抜かれる。まるでKALDIみたいだ(笑)。所狭しと並ぶ山のように積まれた酒瓶を眺めるだけで幸せになれる店。カップ酒が異常に充実してるので、お土産にお勧め。